2017 Fiscal Year Annual Research Report
Possibility of the preoperative diagnosis thyroid cancer by the transcriptome analysis of fine-needle aspiration cytology specimens
Project/Area Number |
15K10063
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
軸薗 智雄 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 研究員 (10465312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉谷 巌 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50465936)
石橋 宰 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70293214)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 穿刺吸引細胞診 / 甲状腺癌 / マイクロRNA / トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は研究計画書に沿って以下の2点を行った。 ①【次世代アレイによる網羅的解析】術後遠隔転移を認めた、「明らかに」濾胞癌である6サンプル(3症例、各々癌部と非癌部)のFFPE由来RNAにおけるトランスクリプト(非蛋白質コードRNAを含む)の発現変動について、次世代型アレイであるAffymetrix社 Clariom Dを用いて網羅的に解析した。その結果、癌部・非癌部間の発現強度が有意に異なる685種類のトランスクリプトがリストアップされ、その上位にはいくつかのマイクロRNAも含まれていた。また、有意な発現低下を示すトランスクリプトの中には、濾胞線種(良性)と比較して濾胞癌で発現が低下することが報告されているTFF3(Takano T et al. Endocr J. 56; 2009) も含まれており、本解析結果の妥当性を示すものと考えている。 ②【穿刺吸引細胞診におけるRNA抽出法】申請者らが確立したプロトコルにより、穿刺吸引細胞診検体からのRNA抽出は可能であるが、概してその収量は少なく、不純物も少なくない。したがって、核酸定量法として一般的な紫外吸光測定に加えて、RNA特異的蛍光色素を利用するQuantiFluor RNA System(Promega)により濃度測定を実施した上で、Agilent 2100 BioAnalyzerにてRNAの品質の客観的評価であるRNA Integrity Number (RIN)を測定することで評価する方法を確立した(第60回日本甲状腺学会学術集会およびコスミック研究奨励賞受賞講演)。また、甲状腺に加えて同じ体表臓器である乳癌で実施したが、RINが7以上の分解の少ないRNAを得ることが出来た。このことにより、比較的鎖長の長いmRNAや長鎖ncRNA研究も解析対象となることを確認した。 今後は、臨床検体を用いた解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)