2015 Fiscal Year Research-status Report
癌・免疫のクロストーク機構および免疫バイオマーカー解析による乳癌治療戦略の検討
Project/Area Number |
15K10078
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
関 直子 久留米大学, 医学部, 講師 (40226634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐 宇飛 久留米大学, 医学部, 准教授 (60268901)
鹿毛 政義 久留米大学, 大学病院, 教授 (80148840) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癌 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究からは、癌局所の免疫状態を評価することが、癌の再発や予後に対する重要なbiomarkerとなることが示され、一方で、有効な癌治療のためには、免疫抑制的癌微小環境の解除を目指した治療戦略が必要なことが示唆されている。本研究では現在までの研究の発展を図り、乳癌において、癌細胞と免疫抑制的癌微環境を軸とした宿主免疫システムの間の相互干渉が癌治療成績に及ぼす影響とそのメカニズムについて解析し、免疫バイオマーカーの探索を行うことを目的とする。また、その相互干渉メカニズムについて、特に癌幹細胞様細胞および薬剤耐性癌細胞を対象として解析することを目的とする。 近年、各種癌における新規治療薬として抗PD-L1抗体の可能性が報告されている。PD-L1は、癌細胞の表面に発現しており、T細胞の表面に発現するPD-1受容体に結合し、それによってT細胞の抗腫瘍免疫活性は抑制されることになる。共同研究者の研究からは、EGFR遺伝子変異を伴う肺癌(NSCLC)においてはPD-L1が過発現しており予後因子となっていることが示された(Azuma et al. Ann Oncol 2014,)。PD-L1が受容体型チロシンキナーゼ(RTK)からのシグナルにより制御され、免疫環境へ影響を及ぼすことが示唆され、RTK阻害薬の治療効果の一機序として、PD-L1発現抑制を介した癌免疫機構への作用も考えられた。本年度は、乳癌におけるPD-L1発現を軸として、その局所免疫環境・予後との関係について、主に免疫組織学的検討を行い解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iv vitro実験系の構築:EMT関連転写因子導入細胞からの安定発現細胞株の製作や、薬剤耐性癌細胞解析に、予定より遅れがみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引続き、免疫組織学検討をはじめとする臨床検体を用いた解析を継続。Laser Microdissection法を用いた発現解析による局所免疫環境の検討を行う。また、併せてiv vitro実験系の構築を進める。
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Causes of Carryover |
抗体などの試薬について、一部共同研究により共用することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、研究の進捗・検討する臨床検体数の増加に伴い、試薬の購入が必要であり、当初予定していた研究費の全額使用を予定している。
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