2015 Fiscal Year Research-status Report
分泌型癌抑制microRNAを用いた消化器癌の抗癌剤感受性予測と核酸治療法の開発
Project/Area Number |
15K10112
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小松 周平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40578978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
市川 大輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20347446)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microRNA / バイオマーカー / 遊離核酸 / エキソソーム / 核酸治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、消化器癌における、microRNAマイクロアレイを用いた分泌型の癌抑制型のmiRNA候補群の網羅的探索を行った。我々は、これまで東レ3D Gene microRNAマイクロアレイを用いた血中miRNAの網羅的解析により、食道癌ではmiR-25(Komatsu S et al. Br J Cancer 2014)、胃癌ではmiR-451、miR-486(Konishi H, Ichikawa D, Komatsu S et al. Br J Cancer 2012)が、担癌患者血漿中で有意に血中濃度が高く、癌の存在診断、モニタリング診断に有用であることを明らかにした。これまでの血中miRNAアレイ解析手法を基盤にして、今回、食道癌、胃癌、膵癌、肝癌等の担患者血中で健常人より血中濃度が著しく低い癌抑制型miRNAの候補を網羅的に選出した。すなわち、癌化の初期に進展を抑制するために正常細胞から送達されていたと考えられる分泌型の癌抑制miRNAで、枯渇あるいは他の機序により正常細胞から分泌抑制された結果、癌の進行に影響したと考えられる癌抑制型のmiRNAを網羅的に選出することが目的である。我々は既に、癌組織で発現低下している癌抑制型miRNAに注目して、食道癌、膵癌では癌抑制型miR-375、胃癌では癌抑制型Let-7a、miR-451、miR-486で初期のステージの癌で、血中濃度が高く、癌の進行と共に血中濃度が低下することを明らかにして報告しており(Komatsu S, Tsujiura M, Konishi H, Kawaguchi T et al. Br J Cancer 2010, 2011, 2012, 2013)、今後新たな候補を選出し、診断、治療に応用していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
食道癌、胃癌、膵癌、肝癌等の担患者血中で健常人より血中濃度が著しく低い癌抑制型miRNAの候補を網羅的に選出した。すなわち、癌化の初期に進展を抑制するために正常細胞から送達されていたと考えられる分泌型の癌抑制miRNAで、枯渇あるいは他の機序により正常細胞から分泌抑制された結果、癌の進行に影響したと考えられる癌抑制型のmiRNAの候補を網羅的に選出した。血中の癌関連microRNAとして過去に報告されていない多数の候補が同定されており、今後の研究の発展が大いに期待されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
血中miRNAを用いた網羅的アレイ解析で選出された癌抑制型miRNA候補群に対して、各癌腫別にTaqMan assayによる定量的RT-PCRを行い、実際にtest-scale解析で健常人群より癌患者群の血中濃度が低くなる候補miRNAに絞り込む予定である。さらに、validation解析で多数例のサンプルで健常人群より癌患者群の候補miRNAの濃度が低く、候補miRNAの血中濃度が癌の悪性度・予後に逆相関する候補に絞り込む予定である。
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Research Products
(7 results)