2018 Fiscal Year Research-status Report
食道癌手術術後誤嚥に対する潜在的ハイリスク患者の予測システムの構築とその臨床応用
Project/Area Number |
15K10121
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安田 卓司 近畿大学, 医学部, 教授 (10324782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今本 治彦 近畿大学, 医学部, 教授 (80351609) [Withdrawn]
木村 豊 近畿大学, 医学部, 准教授 (80716994)
今野 元博 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (00278681)
新海 政幸 近畿大学, 医学部, 講師 (80340793)
安田 篤 近畿大学, 医学部, 講師 (60351615)
白石 治 近畿大学, 医学部, 講師 (70388536)
岩間 密 近畿大学, 医学部, 講師 (20548648)
加藤 寛章 近畿大学, 医学部, 講師 (30460900)
田中 裕美子 近畿大学, 医学部附属病院, 助教 (90642877) [Withdrawn]
平木 洋子 近畿大学, 医学部附属病院, 助教 (10709661)
曽我部 俊介 近畿大学, 医学部, 助教 (90580754) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | サブスタンスP / 誤嚥 / 不顕性脳梗塞 / 食道癌 / 嚥下機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、食道癌術後の最大の合併症である誤嚥性肺炎のリスク軽減を図るための研究課題である。しかし、内容は高齢者における大脳基底核近傍の不顕性脳梗塞と嚥下反射の低下の関連性を明らかにしてその対策を考案することであり、急速に高齢化社会が進む我が国においては、食道癌に限らず高齢の術後患者全てに応用できる、意義の大きな研究と考える。 研究の方法と目的は、脳MRIでの不顕性脳梗塞の有無とその部位の検討、リハビリテーション科での嚥下造影による嚥下機能評価、耳鼻咽喉科での喉頭ファイバーによる喉頭・嚥下機能評価を行い、それと大脳基底核からの指令で実際に嚥下反射を制御するサブスタンスPという物質の血中濃度の測定結果との関連性を検討すると共に術後の誤嚥、嚥下機能との関連性をも比較することで、術前に測定した血中サブスタンスP濃度の術後の嚥下機能および誤嚥リスクの評価に対する有用性と誤嚥ハイリスク群を規定する血中サブスタンスP濃度のカットオフ値を明らかにすることである。 今回の研究の対象症例は、最も術後の誤嚥と関連性が深い食道癌患者とし、研究への協力について承諾を得た後、上記の一連の検査、採血を行い、その結果と術後の嚥下評価あるいは誤嚥発症の有無との関連性を検討していく。サブスタンスPの測定は、ELISA kitを用いてまとめてに測定する予定である。 これまでは担当する医師不足とサブスタンスPの外注検査の取りやめが原因で研究が滞っていた。現在は関係各科が協力して研究を推進しており、2018年5月29日に最初の登録患者のICを取得して以来、平成31年3月までで34名の登録を得ている。現在、1年間の研究期間の延長を申請し、承認を得たので本年も研究を継続し、できるだけ症例を集積して最終解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでは外科医不足とサブスタンスPの外注検査が取りやめになったということで倫理委員会での研究の実施の承認後から研究が滞っていた。しかし、嚥下リハビリテーション科、耳鼻咽喉科、放射線診断科と外科担当医の間で意見交換を行い、「嚥下Study」という検査オーダーセットを組むことと各科での検査結果の入力方法を統一することで人手をかけずにオーダーと検査の実施ができるシステムを構築し、研究を開始した。現在は順調に登録が進んでおり、平成31年3月までで34名の登録を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究予定期間が許す限り症例を集積していく予定である。目標は100例で、できるだけそれに近く集積し、その後にデータ解析と冷凍保存してある血漿を用いてサブスタンスP濃度を測定する予定で、最終的にサブスタンスPの濃度と不顕性脳梗塞の有無およびその部位と術前・術後の嚥下機能との関連性を評価して、血中サブスタンスP濃度の測定の術後誤嚥ハイリスク群予測に対する有用性とその適切なカットオフ値を明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
現在症例の登録集積中であるが、この間に実際に必要な経費は血漿を冷凍保存する際に使用するピペットのチップと保存用のクライオチューブおよびそのラック程度である。経費の多くはサブスタンスPの濃度を測定するために購入するELISA kit代で、まとめて測定する際に購入する予定である。今年度はそのキットを購入して測定する予定であり、キット代金と共にその測定実験の際に使用する備品も合わせて購入予定である。
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Research Products
(1 results)