2017 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical impact of intratumoral HER2 heterogeneity on trastuzumab eficacy
Project/Area Number |
15K10123
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
若槻 尊 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器内科, 副医長 (60443876)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 胃癌 / HER2 heterigeneity / トラスツズマブ / 治療効果予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
HER2陽性胃癌において、HER2蛋白は全ての腫瘍細胞に均一に過剰発現しておらず、HER2蛋白の発現が見られない腫瘍細胞が混在している所見をしばしば認める。これを腫瘍内HER2 heterogeneityと定義する。切除検体を用いた検討では、HER2 heterogeneityの頻度は50-75%と報告されている。 切除不能進行再発HER2陽性胃がんの1次治療にはtrastuzumab併用化学療法が標準治療となっているが、その治療効果予測因子は明らかでない。我々は腫瘍内HER2 heterogeneityの臨床的意義を明らかにするため、28例の切除検体を用いて治療効果との相関を検討した。その結果、均一にHER2蛋白の過剰発現を認める症例のは不均一に過剰発現を認める症例と比較し有意に治療効果が良好であった(HR for PFS: 0.11 95%CI 0.03-0.41, p<0.001, HR for OS: 0.18 95%CI 0.06-0.61, p=0.003)。更に生検検体88例を用いた検討でも同様な結果を確認できた(HR for PFS: 0.46 95%CI 0.28-0.76, p=0.002, HR for OS: 0.35 95%CI 0.20-0.60, p<0.001)。以上より、腫瘍内HER2 heterogeneityはtrastuzumab併用化学療法における強力な効果予測因子である。更に切除検体を用いた検討ではHER2遺伝子の増幅をDISH法を用いて確認し、IHC socoreおよびHER2 heterogeneityとの相関を検討した。HER2はIHC3+でIHC2+と比較し有意に増幅レベルが高かったが(p=0.023)、Heterogeneityの有無では有意差は認めなかった(p=0.225)。治療効果に関してもHER2の増幅は有意な相関は認めず、HER2 heterogeneityの有無がtrastuzumab併用化学療法における独立した効果予測因子であった。 現在、不均一にHER2を過剰発現する胃癌症例がtrastuzumab併用化学療法に対し早期に耐性を来すメカニズムの解明を行っている。今後はHER2 heterogeneityの形成機序の解明を検討したいと考えている。
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Research Products
(4 results)