2015 Fiscal Year Research-status Report
5-FUによる効果・有害事象を規定する薬理遺伝学的バイオマーカーの同定と機能解析
Project/Area Number |
15K10128
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大沼 忍 東北大学, 大学病院, 助教 (70451565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 剛 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50291258)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 5-FU / DPD / ABC transporter |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、5-FUによる効果・有害事象を規定する薬理遺伝学的バイオマーカーの同定と機能解析を行うことを目的としている。 1) DPYD遺伝子(5-FU分解酵素であるDPDをコード)のスプライシングバリアントをもたらすと考えられる遺伝子多型を生命情報科学データベースより予測した。SNPデータベース:dbSNP(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/ SNP/)を用いてDPYDの総SNPsを抽出したところ計5,645個であった。その中でpre-mRNA splicingに影響を及ぼしうるコンセンサス配列(エクソン内,及びエクソン近傍50bpのイントロン)内のSNPsは計148個であり、in silicoツール(Human Splicing Finder;http://www.umd.be/HSF/)を用いてsplicingへの有害性が示唆される計4個のSNPsを拾い上げた。また過去の報告から副作用増強に関わる3個のSNPsを合わせ、計7個のSNPsを解析対象として抽出した。
2) 5-FUの投与を受けた胃癌・大腸癌患者末梢血よりDNAを抽出(現在100名)、PCR、sequencingを行っている。これまでのところ、2種、8例の対象SNPsを同定した。
以上の結果をもとに、今後対象SNPのvalidationを行っていく予定である。 また、5-FUの投与を受けた胃癌・大腸癌患者からの末梢血DNA抽出をさらに進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) DPYD遺伝子(5-FU分解酵素であるDPDをコード)のスプライシングバリアントをもたらすと考えられる遺伝子多型を生命情報科学データベースより予測可能であった。 2) 5-FUの投与を受けた胃癌・大腸癌患者末梢血からのDNA抽出も可能であった。 3) 抽出DNAを用い、PCR, sequencingを行い、目標のSNPを同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 5-FUの投与を受けた胃癌・大腸癌患者末梢血よりDNAを抽出を進める。 2) PCR、sequencingを継続して行う。 3) スプライシングをきたすSNPを同定できれば、固有のスプライシングバリアントの感受性、薬効、有害事象におよぼす役割を明らかにする 3)-1: 遺伝子多型の配列を胃癌あるいは大腸癌細胞にtransfectionし、目的のスプライシングバリアントが産生されることを確認する 3)-2: transfectionされた細胞株の機能解析を行う。また、siRNAにより固有のスプライシングバリアントのみをknock downし、in vtroにおける感受性、および有害事象(細胞増殖能など、血球細胞にて)の表現型を明らかにする。
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Research Products
(1 results)