2015 Fiscal Year Research-status Report
直腸癌に対する温熱化学放射線療法の効果予測因子として血中exosome解析
Project/Area Number |
15K10129
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堤 荘一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30323356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 孝明 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (40507331)
須藤 利永 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (50738846) [Withdrawn]
桑野 博行 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90186560)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 直腸癌 / 温熱化学放射線治療 / exosome / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は下部進行直腸癌に対して、温熱療法を併用した術前温熱化学放射線治療(Hyperthermia Chemo-Radiation Therapy;HCRT)に取り組んで来た。サーモトロン-RF 8を用いた温熱療法を週1回行い、総線量50Gyの化学放射線療法を行い、down-staging率は80%、病理学的完全奏効率30%近くまで向上した。このため、実際には手術を必要としなかった症例が存在したと考えられる。術前に病理学的完全奏効が診断できれば手術を行わずwait and see policyで経過観察する選択肢もできると考えられる。しかし、FDG-PETをはじめとする各種画像診断や内視鏡下生検だけでは診断できないのが現状である。 近年、細胞外microRNAが細胞崩壊と関係なく、能動的に体液中に分泌されexosomeへ封入され安定した状態で存在することが報告されている。これらのmicroRNAは細胞間のメディエーターとして機能し、癌の進展に関与する可能性があると考えられている。microRNAの変化を調べることにより癌の遺残の有無が判明すると考えられる。そこで、直腸癌に対して治療前と術前温熱化学放射線治療後に血中microRNA含有exosomeの解析を行い治療効果予測因子として有用化を検討する。 未治療下部進行直腸癌症例の血液から超遠心法(100,000g・70分間・×2)にてexosomeを分離する。CD9とCD63を用いたwestern blotting assayによるexosomeの分離を確認する。その後microRNAの抽出を行う。温熱化学放射線治療後にも行う。直腸癌の手術を行い病理学的診断を行う。組織学的治療効果判定を行い、温熱化学放射線治療前後のmicroRNA変化が組織学的治療効果判定予測因子となるかを評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、未治療下部進行直腸癌症例の血液を収集しているところである。 今年度は、温熱化学放射線治療の件数が少なく、サンプル収集に苦労している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト直腸癌細胞株に候補となったmicroRNAをmimic導入とanti-microRNA導入を行う。直腸癌マウス実験モデル(Animal model of para-aortic lymph node metastasis. Tsutsumi S, et al. Cancer Lett. 169(1):77-85, 2001)を用いて導入癌細胞を移植する。このマウスに用いて放射線治療を行い組織学的治療効果について評価する。 直腸癌に対する温熱化学放射線治療前後で尿と唾液を採取する。ここからmicroRNA含有exosomeを分離する。血液を同じ手法で候補となるmicroRNAを解析し臨床に役立てるかを検討する。
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