2015 Fiscal Year Research-status Report
KRAS遺伝子変異に伴う癌代謝変化の診断および治療への応用
Project/Area Number |
15K10138
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 傑 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10362500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 健二 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90322651)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大腸癌 / KRAS遺伝子 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではKRAS遺伝子変異による大腸癌の代謝変化に着目し、1)診断への応用(癌の解糖系代謝を評価する画像診断法FDG-PET検査を用いたKRAS遺伝子変異予測や抗EGFR抗体の治療効果予測)や、2)治療への応用(KRAS遺伝子変異のある大腸癌に特異的な代謝経路をターゲットにした治療法の開発)の可能性について明らかにすることを目的とする。 2009年4月~2014年3月までに京大病院で大腸癌遠隔転移巣(肝臓、肺、遠隔リンパ節)を切除した35症例、55転移巣を用いて、KRAS遺伝子変異を認めた群(n=30転移巣)と遺伝子変異を認めなかった群(n=25転移巣)とで大腸癌遠隔転移巣へのFDG集積(SUVmax:1ピクセルあたりの最大SUV)に違いがあるかを検討した。全症例での解析ではKRAS遺伝子変異群は遺伝子変異なし群に比べFDG集積に有意な差は認められなかった(6.3±4.2 vs 5.4±2.6; P = 0.84)。しかしながら腫瘍サイズの分布をみるとKRAS遺伝子変異群のほうが遺伝子変異なし群に比べ有意ではなかったもののサイズが小さい傾向にあった(P = 0.06)ため、腫瘍サイズが10mm以上のものに絞ってサブグループ解析をしたところ、KRAS遺伝子変異群(n=19転移巣)は遺伝子変異なし群(n=23転移巣)に比べFDG集積が有意に高く(8.3±4.1 vs 5.7±2.4; P = 0.03)、またSUVmaxのcut-off値を6.0とすると71.4%の精度でKRAS遺伝子変異の有無を予測できることが明らかとなった。以上の結果は論文として発表した(Kawada K et al. J Nucl Med.56:1322-7.2015)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りにおおむね実験計画が進んでおり、現在までに得られた実験結果は学会発表のみならず論文発表することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに行なった解析結果を踏まえ、臨床検体をもちいた解析ではFDGの集積程度の定量評価が抗EGFR抗体治療の治療効果をどこまで正確に予測できうるのかを検討していく予定である。また大腸癌細胞株やマウスモデルを用いた解析では、KRAS遺伝子特異的な代謝経路を特定し、代謝経路を標的とした新規の抗癌剤の開発に結びつくか今後検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
若干の端数が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算と合わせて使用の予定である。
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