2016 Fiscal Year Research-status Report
大規模ゲノムデータによるステージⅡ-Ⅲ大腸癌術後個別化バイオマーカーの作成と検証
Project/Area Number |
15K10143
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
竹之下 誠一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10167489)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 洋和 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20583397)
坂本 渉 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40622337)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 大腸癌 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
Stage II-III大腸癌根治切除後、10-40%程度に生じる再発を防ぐために術後補助化学療法が行われる。しかしその適応基準は未だ不明確であり、個々の症例に応じて最適な術後治療を選択するための指針が求められている。本研究では、再発リスクが高く補助療法が必要なStage II症例を抽出し、予後良好で補助療法を省略し得るStage III症例を識別するために、大規模な大腸癌の網羅的遺伝子発現データを予後情報とともに集積し、術後治療を個別化するためのバイオマーカーを作成し検証するものである。さらなる再現性検証と臨床利用を念頭に、独立したコホートを用いて検証することを目的とする。また特定のゲノム異常を持つ個々の癌を特異的に対象とするバイオマーカー作成によりさらなる個別化への端緒となることを目指す。 1000例近いStage II-III大腸癌サンプルのマイクロアレイデータを集積し、予後解析を行っている。まずはmRNA発現レベルにおいて、非癌部に比較し癌部で発現上昇し、かつ2つのマイクロアレイデータセットで無再発生存と関連する複数の遺伝子を抽出した。それらがさらに独立したマイクロアレイデータやタンパク発現レベルにおいて、再発リスクを判定するprognostic biomarkerとしての意義を検討している。上記の過程において、コラーゲン関連遺伝子や間質関連遺伝子などが抽出され検証を急いでいる。 また糖鎖生合成に関連する糖転移酵素遺伝子が特定のゲノム異常に関連することも大規模発現データを用いて同定しその機能的検証、バイオマーカーとしての意義に着目している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模な網羅的データを有効に活用することで、候補遺伝子の絞り込みや独立したコホートでの検証が進んでいるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ゲノム、エピゲノム、トランスクリプトームなど網羅的、多層的なデータ集積をさらに進めると同時に機能的検証を試みる。
|
Causes of Carryover |
qRT-PCRを大規模症例に行う予定であったが、そこに至らなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
臨床的な解析を主体に行う。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] Onozawa H, Saito M, Saito K, Kanke Y, Watanabe Y, Hayase S, Sakamoto W, Ishigame T, Momma T, Ohki S, Takenoshita S.2017
-
[Journal Article] Stromal VCAN expression as a potential prognostic biomarker for disease recurrence in stage II-III colon cancer2016
Author(s)
Chida S, Okayama H, Noda M, Saito K, Nakajima T, Aoto K, Hayase S, Momma T, Ohki S, Kono K, Takenoshita S
-
Journal Title
Carcinogenesis
Volume: 37
Pages: 878-887
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
-