2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel extracorporeal hemoperfusion system for hepatic arterial infusion of cisplatin
Project/Area Number |
15K10164
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
武部 敦志 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (00444597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 正浩 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (00403246)
具 英成 神戸大学, 医学研究科, 名誉教授 (40195615)
福本 巧 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70379402)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PIHP |
Outline of Annual Research Achievements |
既に臨床応用され抗癌剤の肝への大量投与を可能にした経皮的肝灌流化学療法(PIHP)システムを用いた研究である。白金製剤はこれまで致死的な有害事象により同システムに使用不能であったが、本研究により臨床応用を目指している。 期間内の研究により、同システム内での白金製剤の薬物動態が明らかとなり、肝静脈分離・活性炭吸着による抗がん剤大量肝動注システムにおけるcisplatinの除去率は時間とともに低下することが分かり、その理由は活性炭吸着筒の容量不足によると考えられた。そこで、我々は2つの活性炭吸着筒を用いた新しい薬物除去システムを考案した。Free cisplatinの血中濃度は肝動注開始後15分・20分において、新システムにおいて従来のシステムに比して有意に低値であった。肝動注直後および24時間後の肝臓内cisplain濃度は両システムにおいて有意差を認めなかった。 投与されたFree cisplatinは1時間内にその90%以上がタンパク質と結合し、抗腫瘍効果および臓器毒性を失うと報告されている。今回の実験において、cisplatin動注時には、肝臓を初回通過直後はほとんど全てのcisplatinがタンパク質と結合しておらず、20分間高いfree cisplatin濃度が持続するということが分かった。この薬物動態からcisplatinは肝動注に非常に適した薬剤と考えられた。 既存システムの小改良にて肝組織への薬剤取り込み効率と末梢血での薬剤除去率の維持が十分可能であることが示された。臨床応用への基礎検討として行った大型動物を用いた実験で、致死量を超える白金製剤を使用した動物実験で対照群が全頭数日間で死亡したことに比べ、改良型PIHP群では全頭1週間生存可能であった。さらなる追加実験を行い、同等の研究結果を得ており、改良型PIHP群の有用性を再確認した。
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Research Products
(1 results)