2015 Fiscal Year Research-status Report
膵癌の新規スクリーニング法ならびに再発診断法の開発
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15K10193
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
村山 康利 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50578979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 消化器外科学 / 膵癌 / 診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性の癌である膵癌は根治切除術を施行してもその予後は極めて不良である。また、その早期診断は困難であり、診断された時点で切除不能例である事も希ではない。そこで新規のスクリーニング法の開発が急務である。本研究では、簡便でかつ診断能の高いスクリーニング法の開発を試みる。5-aminolevrinic acid(5-ALA)は、細胞内に取り込まれると、様々なポルフィリン代謝産物を経てヘムに合成される内因性のアミノ酸である。これらの代謝産物が担癌マウスや癌患者で増加し、尿中や血中に排泄される。そこで、5-ALA投与後の尿中・血中ポルフィリン代謝産物濃度を測定することで膵癌患者に対する新規スクリーニング法の開発を目指し、その有用性について検討する。 研究初年度は、マウス膵癌皮下移植モデルに5-ALAを投与し、その尿中・血中ポルフィリン代謝産物濃度を測定し、コントロール群と比較した。担癌マウスの尿中・血中のポルフィリン代謝産物はコントロール群より高い結果となったが、至適投与量・至適観察時間を設定には継続して行う必要がると考えた。また、膵癌患者に対して5-ALAを術前に投与し、尿中・血中ポルフィリン代謝産物濃度を測定し、健常者の値と比較を行った。初年度ということもあり、膵癌症例は3例と少なく、継続して症例集積を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は初年度であり、動物実験をスタートできた。また、膵癌患者での検討に加え、比較的症例数を集めやすい大腸癌患者では良好な結果が得られた。 大腸癌患者33例に対して5-ALA内服無し、100mg内服、300mg内服後の採尿結果を健常者ならびに良性疾患患者の計28例を比較した。。5-ALA代謝産物として5-ALA、Uroporphyrinogen I、Uroporphyrinogen III、Coproporphyrinogen I、Coproporphrinogen IIIを測定し、測定した項目を各群で解析した。さらにstage別の検討ならびに術前後の比較を行った。5-ALA内服なしでは、尿中5-ALA濃度は、大腸癌患者群がコントロール群に比べ有意に高値であった。また、5-ALA100mg内服後、300mg内服後いずれも、尿中Uroporphyrinogen I濃度は大腸癌患者群でコントロール群より有意に高値であった。さらに5-ALA 300mg内服後の尿中Coproporphrinogen III濃度は大腸癌患者群でコントロール群より有意に高値であった。感度や特異度、AUC valueは既存の腫瘍マーカーに比べ有意に良好であった。本方法で、いずれの症例にも明らかな副作用は認めなかった。 上記の検討を膵癌患者で行えるように症例集積する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は概ね予定通り行う事が出来た。動物実験では、採尿に難渋しデータのばらつきが出てしまうため、その工夫法についてさらなる検討を行う。 平成28年度は予定通り動物実験の継続と膵癌症例は数も少ないため、今後も継続し症例集積を行っていく。
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Research Products
(5 results)