2015 Fiscal Year Research-status Report
Ex-vivo Heart Perfusionを用いた心臓移植の臨床応用
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15K10215
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小谷 恭弘 岡山大学, 大学病院, 助教 (90534678)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心臓移植 / Ex vivo perfusion |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓移植において最大の問題点であるドナー不足に対し、本研究では、ドナー候補でありながら、心機能の問題から断念する例に対して体外循環による治療により心機能が回復することを動物実験で検証することを目的としている。 本年度は、肺移植において世界的に臨床で実績を挙げている体外循環装置(Ex vivo perfusion)を用いて、心臓機能の回復を図り、また移植前に心機能を測定することによって移植に耐えうるかどうかを判定した。 Ex vivo perfusionの装置を購入し、これは本来、肺移植のために用いられるものであるため、心臓還流に最適化するための検討をしなければならない。具体的には、心臓のみを還流する場合、心肺同時に還流する場合それぞれの方法で心臓を還流し、各々の長所、短所を評価した。 まず、心臓のみの還流であるが、肺の還流では閉鎖式循環回路を用いるが、心臓のみの還流の場合、閉鎖式では難しいことが判明した。つまり、冠動脈を還流したのだが、冠静脈に還流してくる血液をすべて回収するのが難しく、また還流圧が不安定になり、適正な圧での冠還流が不可能であった。 つぎに心肺同時に還流することを試したが、心停止状態では、心臓のみの場合と同じく、還流液の回収に困難したが、心拍再開後は、比較的、還流圧のコントロールが容易であった。 以上の結果から、心肺同時にEx vivo perfusionを用いて再還流する方針として、次年度の検討に使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Ex vivo perfusion装置は本来、肺移植において肺を還流する装置であり、それを心臓に応用するために、還流方法、還流チューブ(カニュラ)を適宜変更、最適化する必要があった。そのために、実際の動物を用いた検討に遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
Ex-vivo perfusionを用いた心臓還流での心臓機能の評価をすすめると共に、当初の予定であった細胞移植によるさらなる心機能改善の効果を判定する。
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