2016 Fiscal Year Research-status Report
機能賦活化した心筋幹細胞シートによる重症心不全治療
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15K10218
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
美甘 章仁 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30372709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 公一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60263787)
藏澄 宏之 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (50645116) [Withdrawn]
細山 徹 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20638803)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心筋幹細胞 / 細胞シート / 低酸素プレコンディショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、成体マウス心臓より単離した心筋幹細胞を用いた細胞シートの作製プロトコルの確立、低酸素プレコンディショニング法による心筋幹細胞シートの機能賦活化の検証、等を行い、それらの成果を学術論文や学術集会で公表、また特許申請を行った。さらに、低酸素刺激により機能賦活化した際に細胞シート内で活性化する因子群の同定にも成功しており、本年度はこれらの因子群に注目した細胞シートの機能賦活化メカニズムの解明およびマウス心筋梗塞モデルへの貼付による治療効果の検証、等を行った。 低酸素刺激により心筋幹細胞シート内で活性化する因子群の解析から、低酸素刺激により細胞シート内のPI3K・Akt・mTOR・HIF-1aの活性化が生じ、結果として血管新生因子VEGFおよび線維化抑制因子の産生亢進が誘導されることが明らかとなった。また、シート形態にすることで心筋幹細胞から分泌されるVEGFの産生が亢進することもわかり、心筋幹細胞をシート化する意義を説明し得る興味深い結果を得ることもできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低酸素刺激による細胞シートの機能賦活化に関わる分子メカニズムの一端を当初予定よりもより順調に明らかにすることができ、計画全般を概ね順調に進展させることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、低酸素刺激により機能賦活化した心筋幹細胞シートをマウス心筋梗塞モデルの不全心へ移植することにより、その治療効果の検証および本治療法の有用性について検証していく。
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Causes of Carryover |
物品費に未使用額が生じてしまったが、消耗品注文時に発生した軽微な額であるため問題はないと思われる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1000円以下の軽微な未使用額であるため、次年度への計上により問題なく使い切ることが可能である。
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