2017 Fiscal Year Research-status Report
不活性ガス再呼吸法による非侵襲的心拍出量計測法:開心術後リハビリへの応用
Project/Area Number |
15K10220
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
土井 潔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (40305579)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 運動負荷試験 / 術後リハビリテーション / 僧帽弁形成術 / 不活性ガス再呼吸法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「不活性ガス再呼吸法」という非侵襲的で新しい心拍出量計測法を用い、運動負荷時の心拍出量を測定することによって、心臓手術後のリハビリが心機能の回復に及ぼす効果を明確にし、心臓手術後のリハビリプログラム作成における新たな評価基準を構築することを目的としている。 不活性ガス再呼吸法による非侵襲的な心拍出量測定器Innocor100は、二種類の不活性ガス(0.5%笑気ガスと0.1%六フッ化硫黄ガス)を含む空気で閉鎖回路内を満たし、血液溶解性の笑気ガスが肺から循環血液に移行する速度から心拍出量を計測する装置である。 「不活性ガス再呼吸法」では運動負荷中の心拍出量を計測する事が可能である。運動負荷には心肺運動負荷試験で用いるエルゴメーターを使用し、ランプ負荷を徐々にかけて行く運動プログラムを作成した。運動負荷量を増加させていくと、正常者では一回心拍出量(stroke volume)がほぼ直線的に増加し続けた。一方で、僧帽弁形成術後の患者においては運動負荷量を増加させてもstroke volumeの増加は途中でプラトーに達し、ある一定以上は増加しなかった。僧帽弁形成術後患者における運動負荷時の最大stroke volumeは、僧帽弁位の平均圧較差との間に負の相関関係を認めた。すなわち僧帽弁形成術後の機能的な僧帽弁狭窄が高度であると、運動負荷中の最大の一回心拍出量が少なくなる傾向にあることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「不活性ガス再呼吸法」による心機能評価法の研究では、該当医療機器が本邦未承認であり直接海外から輸入する手続きおよび施設内での倫理審査委員会の承認を得る手続きに時間を必要としたため、研究の実際の開始が2年目からとなった。 また一度、機器の部品の不具合があり修繕を必要としたこと。また消耗品である不活性ガスのボンベを追加で輸入したことなども遅延の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は順調に症例からのデータを蓄積している。これまでに20例の患者からのデータを集めており、さらに10例程集めたところで、研究成果を学会および論文で発表する予定である。
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Research Products
(1 results)