2015 Fiscal Year Research-status Report
リンパ管遺伝子細胞治療によるリンパ浮腫治療法の開発
Project/Area Number |
15K10229
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
齊藤 幸裕 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80540583)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 遺伝子治療 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】リンパ浮腫は患者QOLを著しく障害する難治性疾患である.我々はHGFプラスミドによるリンパ浮腫遺伝子治療法を開発したが,これに対する治療抵抗性のリンパ浮腫に対して新たな治療法の開発が望まれる.【目的】HGF遺伝子治療とiPS細胞による再生治療をハイブリッドにした遺伝子細胞治療を計画する.本年度の目的はiPS細胞を使用したHGF遺伝子発現細胞を樹立し,これをリンパ管内皮細胞へ分化誘導することである.【方法と結果】まずHGFがリンパ管の分化誘導にどのような影響を与えるか推測するため,リンパ管内皮細胞にHGFタンパクを添加し遺伝子発現をreal time PCRで検討した.HGF遺伝子はautocrineに上昇し,更に受容体であるc-Metも上昇していた.この発現上昇には共通の転写因子であるEts-1の発現が関与しているものと推測された.更にリンパ管のマスター遺伝子といわれるProx1とリンパ管新生の重要な受容体であるVEGFR-3は上昇していたがVEGF-Cは低下しており,HGF-c-MetシグナルがVEGF-C-VEGFR-3シグナルとは独立したシグナル系であることが推測された.またリンパ管分化に際し重要なSox18と成熟に重要なAngiopoietin2の発現上昇を認め,HGFが単独でリンパ管の発生,分化から進展,成熟まで誘導可能であることが示唆された.現在マウスiPS細胞培養系を確立し,これにHGF遺伝子を恒常発現させた培養細胞系を確立中である.またこれとは別にiPS細胞をリンパ管内皮細胞に分化誘導した際にHGF遺伝子の発現が変化するのか検討するため,OP9細胞をフィーダー細胞とした培養系で準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
現状では当初の計画通りに進める予定でいる.次年度の主な項目は次のとおりである.1,HGF遺伝子を恒常発現させた培養細胞系を確立する.2,iPS細胞をリンパ管内皮細胞に分化誘導した際にHGF遺伝子の発現が変化するのかreal time PCRで検討する.
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Research Products
(3 results)