2015 Fiscal Year Research-status Report
RAGEを分子標的とした静脈グラフト吻合部石灰化抑制効果の検討
Project/Area Number |
15K10237
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
榊原 賢士 山梨大学, 総合研究部, 助教 (40419338)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 内膜肥厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化、食生活の欧米化に伴い動脈硬化疾患は増加傾向にある。病変も重症化しており、カテーテル治療、薬物治療で対処できない場合も認められ、外科手術が行われている。 冠動脈バイパス術、下肢バイパス術に使用される静脈グラフトは10年で40%程度閉塞すると報告されている。その主な閉塞原因は、吻合部における内膜肥厚と考えられ、以前より内服、分子標的療法で内膜肥厚を抑制する検討がおこなわれてきた。閉塞した静脈グラフトを検討すると内膜肥厚に加え、石灰化を伴っていることが多く、この石灰化もグラフト閉塞に関連があると予測される。特に、糖尿病を併存する場合はグラフト開存率が有意に悪く、その吻合部を調査すると、著しい石灰化を認めることが報告される。そのため、石灰化を抑制することが可能であれば、グラフト開存率の向上につながると考えられる。 最近、大動脈平滑筋の石灰化は糖化蛋白終末物(advanced glycation end products:AGE)によって誘導され、糖尿病を併存する場合はAGEは高値であると報告されている。 そのためAGEのシグナリングを阻害することにより石灰化が抑制されることが予測される。しかし、吻合部でこの石灰化抑制についての検討は未だ報告されていない。今回、石灰化抑制により静脈グラフトの開存率の向上させる方法として、このAGEのレセプターであるRAGEを標的とする新たな遺伝子治療を計画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度は、実験設備の整備に期間を要したこと、培養の実験系の確立に難渋しており、予定が遅れている状況です。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで予定どおり進んでいないため、昨年度行ってきた内容に加え、本年度は他のcell lineを使用したり、他の方法による石灰化の誘導も行っていきたい。また平行して施行可能な石灰化評価のための免疫染色の実験も開始する予定である。
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Causes of Carryover |
いままで当教室で平滑筋細胞の培養を行っており、継続し使用してきた実験器具、消耗品を一部使用することができた。また、実験計画通りすすまなかったため、培養による石灰化が確認できていないため、次の実験道具、消耗品を購入しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、cell lineの実験に加え、倫理委員会承認後、大伏在静脈を使用し免疫染色の実験も行っていきたい。
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