2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new vascular regenerative therapy for severe limb ischemia by the transplantation of human iPS cell-derived vascular cells
Project/Area Number |
15K10241
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂田 隆造 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (20325781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 義 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40281092)
山崎 和裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (50464227)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 抹消動脈外科学 / iPS細胞 / 血管新生 / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
(研究の目的)ヒトiPS細胞由来の血管内皮細胞および血管壁細胞の局所投与による血管再生効果を検討し、そこから近い将来予想される医療用iPS細胞の実用段階に向けて技術的基盤を確立することを目的とした。 (平成29年度の研究内容)前年度までに作製した、非疾患・免疫抑制マウス下肢虚血モデルに対し、前年度までに確立した方法により得た(Ikuno, PLoS One 2017)、ヒトiPS細胞由来血管内皮細胞および壁細胞を下肢筋肉中に、Drug Delivery Systemとして前年度までに開発したゼラチンスポンジを用いて局所投与した。その結果、血管内皮細胞および血管壁細胞をゼラチンスポンジとともに投与した群において、有意に血流改善効果を認めたのに加え、組織学的評価において、aSMA陽性の血管密度が有意に高いことが示され、さらにそれらの新生血管に、Ku80陽性のヒト由来細胞が含まれていることが確認された。このことは、移植したヒトiPS細胞由来血管内皮細胞および血管壁細胞が、虚血組織における血管再生に寄与したことを示している。定量PCRにより、移植群で血管内皮細胞増殖因子の遺伝子発現が増加していた。このことは、前述の血管再生に加え、移植によるパラクライン因子にともなう宿主に対する血管新生促進効果が得られたことを示しており、これらの相乗効果により優れた血流改善効果が得られたことが示唆された。これらの結果は、将来的なヒトiPS細胞由来血管細胞を用いた重症下肢虚血に対する新規の治療法開発に向けた基礎的基盤になるものと思われる。
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Research Products
(6 results)