2017 Fiscal Year Annual Research Report
Stent grafting in the descending aorta increases aortic input impedance and leads to left ventricular hypertrophy
Project/Area Number |
15K10245
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大石 恭久 九州大学, 大学病院, 講師 (20529870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元松 祐馬 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20746870)
田ノ上 禎久 九州大学, 医学研究院, 准教授 (40372742)
藤本 智子 九州大学, 大学病院, その他(移行) (40567377) [Withdrawn]
園田 拓道 九州大学, 医学研究院, 助教 (50596830)
牛島 智基 九州大学, 大学病院, 助教 (70529875)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 心臓エナジェティクス / 動脈インピーダンス / ステントグラフト / 後負荷 / 左室肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
ステントグラフト内挿術は、大動脈疾患に対する低侵襲治療である。その症例数は増加一途をたどっており、若年者にも多く使用されるようになっている。元々弾性を持つ大動脈が弾性のない人工血管に置換された場合、コンプライアンスなどの低下から後負荷が増大し、心機能に悪影響を及ぼすことが懸念される。 イヌの下行大動脈ステントグラフト留置モデルを作成し、前後で後負荷及び、心機能の変化を検討した。ステントグラフト留置は全身麻酔下に開腹し、腹部大動脈アプローチで透視下に行った。後負荷は、大動脈基部の圧波形及び血流波形を周波数解析し、動脈インピーダンスを得た。得られたインピーダンススペクトルを、Windkesselの3要素にあてはめ、総血管抵抗、コンプライアンス、特性インピーダンスを算出した。左室機能はコンダクタンスカテーテルを使用して、左室圧波形、左室容積及び圧容積曲線を測定した。慢性期(ステントグラフト留置12週後)での変化も検討した後、sacrificeを行い、左室心筋重量係数(左室心筋重量/イヌの体重)を計測した。Sham手術群との比較検討も行った(ステントグラフト群n=5, Sham手術群n=5)。 ステントグラフト群において、ステントグラフト留置前後で総血管抵抗は変化しなかったが、コンプライアンスが有意に低下し、特性インピーダンスが有意に上昇した。Sham手術群では変化を認めなかった。最大左室圧、左室収縮末期圧はステントグラフト内挿術後で有意に上昇し、Ea(arterial elastance)も有意に上昇した。しかし、心効率を表すEa/EesやSW/PVAは変化しなかった。術12週後の左室心筋重量係数はステントグラフト群に置いて有意に大きかった。ステントグラフト内挿術は後負荷を上昇させ、左室肥大を引き起こすことが示唆された。得られた研究結果は今後、論文にて発表予定である。
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