2015 Fiscal Year Research-status Report
肺扁平上皮癌における喫煙量別比較に基づいた新たなドライバー遺伝子変異の同定
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15K10263
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡本 龍郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80568626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸富 洋介 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60645365) [Withdrawn]
田川 哲三 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (90419557)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非小細胞肺癌 / 扁平上皮癌 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
扁平上皮癌が多くの遺伝子異常を持つことは喫煙の影響が大きい。当科の肺扁平上皮癌切除例364例中に非/軽喫煙者(≤30PY: Pack Year)を71例(19.5%)認め、非/軽喫煙者は重喫煙者(>30PY)に比べ有意に予後が悪かった。非・軽度喫煙患者と重度喫煙患者の扁平上皮癌は異なる性質・遺伝子変化を持つ可能性があり、当科の臨床検体を解析することで、扁平上皮癌に重要な新たな遺伝子変化および治療標的候補の検索が可能と考えられた。 現在までに、2000年から2012年までの標準切除が行われた肺扁平上皮癌のうち、非/軽喫煙者及び重喫煙者の中の典型的な症例を選び、次世代シーケンサー(RNAシークエンス)を用いた遺伝子変異、遺伝子発現検討の準備を行った。具体的には、肺扁平上皮癌症例で使用可能な検体88例に対して、2100バイオアナライザ- RNA ソリューションを用い、RNAのクオリティー検査を行いRNAシークエンス施行可能な検体数を調べた。非/軽喫煙者では癌部8例、正常部10例、重喫煙者では癌部33例、正常部36例であった。現在TruSeq Stranded mRNA Sample Prep Kitを用いて、良好な品質が確認された検体のRNAを、シークエンス可能な状態にするサンプル作成を現在順次施行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、予後を背景にした扁平上皮肺癌の遺伝子変異検索であり、比較的過去の症例が主である。したがって、解析に用いるRNAのqualityチエックが非常に重要と考えられる。現在検体のqualityを確認しており、良好なものを実際のシーケンスに用いることを予定している
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新規遺伝子変異候の候補が見つかった場合、DNA変異の頻度および遺伝子発現レベル・蛋白発現レベルを、同コホートおよび別のコホートにて確認する。また、ドライバー遺伝子変異候補を有する肺扁平上皮癌細胞株を細胞株のライブラリーより検索する。ドライバー遺伝子変異候補を有する細胞株を用いてドライバー遺伝子変異候補の機能解析を行い、他の細胞株と比較検討することにより腫瘍生物学的意義を検討する。
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