2015 Fiscal Year Research-status Report
胸腺癌における発癌原因候補遺伝子の機能解析及び個別化治療法の確立
Project/Area Number |
15K10279
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
奥田 勝裕 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50529170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 智紀 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40315883) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ベクター作成 / Gateway system / KIT |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が同定した25の胸腺癌における発癌原因遺伝子変異について、各遺伝子・各変異遺伝子の機能解析を行うための研究を行っている。胸腺癌は比較的稀な腫瘍であり、有効な治療法は手術のみであるため、原因遺伝子を同定し、分子標的治療薬のような効果的な治療薬の開発が望まれている。胸腺癌の多くは扁平上皮癌であるため、胸腺癌で見つかった新たな発癌に関与していると考えられる遺伝子変異は、肺癌など他の癌にも関与している可能性があり、有効な治療薬が見つかれば他の様々な癌にも使用することができるようになるかもしれない。 今年度は、本研究の重要な位置を占める各遺伝子の機能解析を行うためのウイルスベクターを作成することから始めた。10kbを超えるPCR産物でも容易に取り込めるような工夫をするため、ウイルスベクターにGeteway system用の配列を組み込んだ。電気泳動、塩基配列の確認を行い、目的とするウイルスベクターを作成することができた。このウイルスベクターは、Gateway system用の配列を両末端に組み込んだPCR産物であれば、10kbを超えるものであっても効率的にベクターに組み込めるため、様々な実験で応用使用することが可能である。 ベクター作成後、25遺伝子変異の中で、Tyrosine kinase domainに変異を認め、最も重要であると考えられているKIT遺伝子の全長cDNAの作成を終え、Site Direct mutagenesis kitを用いて発癌原因遺伝子と思われる変異を導入したPCR産物を作成中である。25遺伝子の全長cDNAを作成するためのPCR条件が各々異なるため、並行して全長cDNAを作成するためのPCR条件を検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験全体で必要となるGateway system用の配列をベクターに組み込むことに難渋した。 進捗状況としては当初の予定よりやや遅れているが、目的とする遺伝子のcDNAの全長作成も進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究自体は当初の予定よりもやや遅れてはいるが、実験全体で必要となるウイルスベクターの作成には成功した。今後は予定通り、25の発癌原因候補である遺伝子変異を含んだ全長cDNAを作成し、ベクターに組み込んだ後、細胞にトランスフェクションする予定である。目的の細胞が作成されれば、機能解析に進んでいくことが可能となる。
|
Causes of Carryover |
当研究のすべての研究の元となるウイルスベクター作成に時間がかかってしまったため、変異遺伝子導入、トランスフェクションなどの細胞実験を行うことができなかった。 そのため当初の計画よりも研究計画に遅れを生じ、次年度使用額が生じることとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に当初予定していた変異遺伝子導入、トランスフェクションなどの細胞実験をH28年度以降に行うため、平成27年度の予算を使用させていただく。
|
Research Products
(2 results)