2015 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞を用いた、もやもや病における脳出血発症メカニズムの解析と予防薬の研究
Project/Area Number |
15K10286
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
数又 研 北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 若樹 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40421961)
鐙谷 武雄 北海道大学, 大学病院, 助教 (80270726)
七戸 秀夫 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80374479)
寳金 清博 北海道大学, 大学病院, 教授 (90229146)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | もやもや病 / iPS細胞 / バリア機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
もやもや病は頭蓋内内頚動脈終末部の進行性狭窄を主病変とする。虚血に対して穿通動脈が側副血行路として発達し、もやもや血管と称されている。小児では脳梗塞などの虚血症状で発症することが多いが、成人患者において、脳出血の発症頻度が高くなり、神経症状の悪化に大きく関与する。脳出血の発症の要因として穿通枝への長期間の血行力学的ストレスや動脈瘤の発生などが考えられているが、血管内皮のバリア機能についてはこれまで検討されていない。本研究では、iPS細胞から作製した血管内皮細胞を用いて、もやもや病の血管内皮細胞のバリア機能を解析する。もやもや病患者の末梢血から樹立したiPS細胞3株および健常者から樹立したiPS細胞3株を用いて血管内皮細胞を分化誘導した。内皮細胞からRNAを抽出し、マイクロアレイを行った。細胞間結合に関わる遺伝子は1482個あり、その中で、もやもや病で有意に発現が低下(発現比3分の1以下、p値<0.05)していた遺伝子は13個あった。細胞間のタイトジャンクションに関わる遺伝子はclaudin-1が含まれ、細胞外マトリックス-細胞間の接着に関わる遺伝子としてdystonin、nexilin、integrin β3が含まれていた。claudin-1は内皮細胞のタイトジャンクションの調節に関わっていることが報告されているが、もやもや病においてその意義は解析されていない。免疫染色を行うため、claudin-1の抗体を購入した。内皮細胞のバリア機能を検討するため、transwellを購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
tight junctionに関わる遺伝子の絞り込みは終了したが、内皮細胞のバリア機能を調べるtranswell assayを行うにあたり、細胞播種濃度の検討が終了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、transwell permeability assayを行い、バリア機能を検討する。また、今回マイクロアレイで抽出した遺伝子に関して免疫染色やウエスタンブロッティングによって発現を解析していく。またこれらの遺伝子発現の差が、バリア機能に影響を及ぼしているかを検討する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の消耗品購入費用として使用。
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