2016 Fiscal Year Research-status Report
流体力学的アプローチによる脳動脈瘤血流変向手術の効果予測法の開発
Project/Area Number |
15K10293
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
庄島 正明 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80376425)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | Aneurysm / Computer simulation / Hemodynamics / Wall shear stress / Pressure |
Outline of Annual Research Achievements |
A.直達手術による血流変向手術が行われた3症例の解析を洗練させ、その解釈をおこなった。(1)本年度は計算に用いたメッシュが十分に細かくなっていることを確認した。(2)解析結果 1例は術後に動脈瘤が治癒した症例で、2例は術後に破裂した症例である。術後に破裂した2例では、1例では瘤壁における壁面せん断応力の不均一性が術後に出現しており、もう1例では瘤壁における壁面せん断応力の不均一性はなかったが、圧力が上昇している可能性が示唆された。 B.カテーテル手術による血流変向術の血流シミュレーションを2症例でおこなった。各症例で3種類の血流変向用ステントの留置シミュレーションをおこなった。S1:有孔率72%のステントを1つ、S2:有孔率72%のステントを2つ、S3:有孔率65%のステントを1つ留置した場合の瘤内の血流動態をシミュレーションした。先行論文ではS2において血流変向効果がもっとも高いと報告されているが、私達の計算結果ではS3で血流変向効果が最も高かった。この結果の妥当性に関して考察を加えている最中である。 上記A,Bに対して、第45回日本脳卒中の外科学会、第22回日本血管内治療学会総会、第57回日本脈管学会総会などで発表をおこない、学会の場でディスカッションをおこなうことで結果の解釈を発展させた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
直達手術、カテーテル手術の2つの方法の血流変向術の効果に関して解析を行うことができている。 症例数は多くはないものの、なんとか本年度中に論文発表のデータが整いそうであるため、概ね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
過去2年間で様々な試行を行いながら、解析をおこなった結果に関して、最終的な解析結果をえる。 またそのデータを元に、論文化を行うのが本年度の研究の推進方策である。
|
Causes of Carryover |
残金が2980円で、研究に必要な物品(HDDなど)を購入するには金額が足りなかった。次年度の予算と合算することで有効に研究に使用出来ると判断し、次年度に持ち越すこととした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の費用と併せて、データ保存用HDDの購入や、論文執筆に関わる費用に充てる。
|
Research Products
(5 results)