2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K10304
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石原 秀行 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50346566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 倫保 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80196873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 振動周波数 / 振動強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、体外高周波振動装置を用い、遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベーター(recombinant tissue plasminogen activator: rt-PA)静注療法による血栓融解を安全かつ簡便に誘導し、再開通率を向上させるための臨床に即した研究である。脳梗塞超急性期のrt-PA静注療法は、閉塞血管の早期再開通させる脳梗塞の特効薬として臨床導入されたが、特に重症となる脳主幹動脈の塞栓性閉塞では、その早期再開通率は低い。体外高周波振動装置による効率的な血栓溶解作用を確立することにより、現在の脳梗塞超急性期の治療方法は大きく変わり、今後更に増加する重症脳梗塞患者の救済と、治療コストの飛躍的な低減により、医療経済にも大きな貢献をもたらす可能性がある。 H27年度は、血栓融解を誘導する振動の種類と強度を基礎的な実験で検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のテーマである振動によるrt-PAの血栓溶解増強作用は、Doc-Heli搬送患者においてrt-PA静注療法の著効率が高いことに端を発している。Doc-Heliに振動計を搭載することにより、人体が受ける振動を計測し、その特徴は解析済みである。 人体に害が無い低周波振動が高周波振動に比べエネルギーが遙かに高く、振動発生装置には基礎実験で得られたより安全な周波数を採用し作成を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床応用に向けて体外振動装置を作製する。振動発生装置は、マッサージクッションのモーター部分を至適振動を得られるモーターに替え使用する予定である。体外振動装置で発生される振動は、振動レベル計により調整、確認する。振動強度は人体への安全性への観点から、振動マッサージ器の安全基準(JIS)の範囲内で作製する。 実臨床で、rt-PA静注療法を行っている心原性脳塞栓症例に体外振動装置による振動負荷を行う。シングルアーム試験で、これまでの治療成績(ヒストリカルコントロール)との比較を行う。我々の施設では、主幹動脈の急性閉塞症例にはrt-PA静注療法を行いながら、脳血管造影を行い、rt-PA不応例に対しては脳血管内治療を行ってきている。治療過程の中で、脳血管造影検査中に振動を負荷する。移動、準備などから、1時間かけてrt-PA静注が行われている中の後半の30分間振動負荷を行う。rt-PA投与終了時の脳血管造影所見で開通状態を評価する。(評価は、閉塞部位別、内頚動脈、中大脳動脈M1近位部, 中大脳動脈M1遠位部、中大脳動脈垂直部M2および脳底動脈にわけてそれぞれの開通状態をTICI分類に従い評価する。)
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Causes of Carryover |
今後の振動発生装置作成に費用がかかるための措置として、振動レベル計VM53Aを購入せず、レンタル契約にしたことにより経費を低減した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度は、臨床応用に向けて体外振動装置を作製する。体外振動装置で発生される振動は、振動レベル計により調整、確認する。振動強度は人体への安全性への観点から、振動マッサージ器の安全基準(JIS)の範囲内で作製する。
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