2018 Fiscal Year Annual Research Report
The beneficial role of renal denervation in the prognosis of subarachnoid hemorrhage
Project/Area Number |
15K10309
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
長谷川 雄 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (40599114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉渕 信孝 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (30456131)
河野 隆幸 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50448536)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / 腎除神経術 / 早期脳損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
(方法)雄SDラットを偽手術群、くも膜下出血群(SAH)群に分け、SAH導入15分後にさらにSAH+腎除神経術(RD)群、SAH+RDの偽手術群に分け、両側RDを完成させた。 (昨年までの結果の概略)RDにより脳血管攣縮は有意に改善し、脳底動脈周囲マクロファージの軽減も認めた。交感神経系の上位中枢である視床下部室傍核では、SAHにて上昇するドーパミンβ水酸化酵素、活性化アストロサイド、活性化マイクログリアがRDにより有意に軽減した。 (本年度の実績)まず、血管での病的変化がRDにより改善しているか調べた。脳主幹動脈を摘出し、ウエスタンブロット法を用いてSAHにより修飾を受けるタンパクについて各群比較検討したところ、SAHにて活性化されたリン酸化ERKがRDにて有意に抑制、血管内皮由来のCOX-2の発現も有意に低下した。また、免疫組織学的検討において、SAHにて増加したリン酸化ERK陽性血管内皮細胞は、RDにより有意に軽減した。次に、中枢性交感神経と脳血管攣縮との関係をつなぐものとしてアンギオテンシンII(AII)に着目、SAHにより有意に上昇した血清AIIがRDにて低下することを発見した。一方、脳動脈ではAII受容体の発現変化は認めなかった。 (意義・重要性)本研究では、長年議論の的だった交感神経とSAH後脳血管攣縮との関連性について、中枢性交感神経系を担う視床下部に焦点を当ててその正の関連性を明らかにした。RDは視床下部傷害を軽減し交感神経過活動を抑制した結果、腎β受容体を介してレニンアンギオテンシン系を抑制し、血管内皮細胞保護により脳血管攣縮を抑制したと考えられる。また、現在RDは循環器科領域でヒトの臨床研究でも施行されているため、本研究結果は、RDが将来脳血管攣縮の治療法に応用できる可能性を示唆するものにもなった。なお、本研究成果は現在国際誌投稿中である。
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Research Products
(4 results)