2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neuromodulation device for neuronal regeneration
Project/Area Number |
15K10310
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
藤木 稔 大分大学, 医学部, 教授 (90231563)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 新規医療機器開発 / 医工連携 / 神経保護効果 / 脳虚血耐性 / 脳の非侵襲的刺激 / 皮質脊髄路 / 機能再建 / 磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
致死的脳虚血に非致死的脳虚血を先行させると、その脳は遅発性神経細胞死から免れる(脳虚血耐性)。これは先行した非致死的脳虚血がストレス蛋白や神経保護的な成長因子を発現するためだと理解されている。当研究室は、脳の非侵襲的刺激を先行させると、非致死的虚血同様に脳虚血耐性を獲得することを見いだした。すなわち、非虚血性のpreconditioningによる脳虚血耐性獲得の背景を検索することで虚血から「脳を守る」keyを見いだし、さらには脳虚血の治療応用へと発展させようとするものである。このことを裏付ける実験事実として、非侵襲的大脳刺激でastrocyteが活性化され動物の脳内に神経成長因子; Nerve growth factor;NGF, Brain derived neurotrophic factor;BDNF, Vascular endothelial growth factor;VEGFを含む様々な遺伝子が発現すること(Fujiki and Steward, 1997, 2010)、なかでもBDNF発現の条件は神経活動性依存性であること、発現は一過性でかつ神経損傷や痙攣発作は伴わないこと、安全性の確立された抗胃潰瘍薬などにも同様の神経保護効果を有すること、この神経保護効果はphosphatidylinositol-3 kinase/Akt pathwayを介することをも明らかにした(2010, 2017)。本研究は脳保護・損傷神経回路再構成のための基礎的実験および損傷脳の可塑性・再教育を促すプログラム・刺激装置開発研究を行う。この結果をもとに、有効な遺伝子が発現する条件と同一の刺激条件が、臨床上も同様な治療効果を有するか否かを当研究室で行ってきた神経生理学的手法で評価・解析するものである。
|