2015 Fiscal Year Research-status Report
くも膜下出血後遅発性脳虚血のマーカー及び治療標的としてのmiRNAスクリーニング
Project/Area Number |
15K10314
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 里史 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20383870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 崇 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70245520)
秋山 武紀 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90327528)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 遅発性脳虚血 / 微小循環障害 / Neurovascular Unit / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究機関(慶應義塾大学医学部)において課題を遂行するために必要な倫理申請を行い、研究目的で患者血液の提供を受けるための許可を倫理委員会より受けた(承認番号20140326)。現在まで、7名のくも膜下出血患者及び4名の未破裂脳動脈瘤患者から血液の提供を受けた。遠心により血液から血清を分離、-80℃にストックした。今後RNAを抽出、くも膜下出血群とコントロール群にてmiRNAアレイ解析予定である。 上記患者検体の解析と並行してmiRNA同定後の機能解析に用いる目的でくも膜下出血モデルマウスの作成を行った。既に報告があるマウス自家血注入モデルを改変し(尾動脈からの採血は困難で顔面静脈から自家血を採血することとし、針刺入の角度はCTや肉眼所見で検討を重ねて修正し、安定したモデルマウスが得られるようになった。モデルマウス作成直後に肉眼的、及び、動物用CTスキャンを用いてくも膜下出血が生じていることを確認した。 更にモデルマウスを還流固定した後に断頭、脳の凍結切片を作成した。miRNA同定後の機能解析には本モデルがくも膜下出血後の遅発性脳虚血を起こすことを確認する必要があるため、蛍光免疫染色を行い神経細胞をNeuNで、アストロサイトをGFAPとアクアポリン4で、微小血管を基底膜のコラーゲン4で染色し、各々の構造物の形態を確認した。 同モデルにおいて、モデル作成6時間後の段階で、基底膜崩壊を示すコラーゲン4の染色性が低下しているという既に報告されている事象と同様の事象が観察され、くも膜下出血モデルマウスとしての妥当性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提供を受ける血清は患者の多寡、同意の可否に依存するが、ある程度の検体が集まったためmiRNAの解析を開始した。並行して、機能解析に用いるモデルマウス作成を開始し、モデルが安定するに至っている。おおむね順調な進捗状況と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者検体は、これまで同様、可及的くも膜下出血全例において検体提供の依頼を行い、同意が得られた場合には検体を採取し、血清サンプル数を増やしていく。 モデルマウスは安定して作成することが可能になってきたため、今後早期に本モデルがどの程度ヒトのくも膜下出血後の虚血性変化を忠実に再現し得るかを確認する。具体的にはearly brain injury, delayed cerebral ischemia、形態学的な脳血管攣縮が再現されるか否かを確認して行く。
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Causes of Carryover |
miRNAアレイが患者検体の集まり状況で次年度にずれ込んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
患者検体が解析に必要な数集まったため、予定通りmiRNAアレイ解析に用いる。
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