2016 Fiscal Year Research-status Report
"主幹動脈収縮説"を基盤としたもやもや病早期診断/重症化予測法の確立
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15K10322
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森岡 基浩 久留米大学, 医学部, 教授 (20295140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀耒 泰之 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20626882)
広畑 優 久留米大学, 医学部, 教授 (40218863)
平井 俊範 宮崎大学, 医学部, 教授 (40274724)
河野 隆幸 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50448536)
青木 孝親 久留米大学, 医学部, 講師 (70330842)
安陪 等思 久留米大学, 医学部, 教授 (90167940)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | もやもや病 / 血管収縮 / 血管病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)もやもや病データーベースについては久留米地区/熊本大学関連施設との連携が構築され症例の情報収集は順次できている。 2)現在の進行状況としては、予想に反して後大脳動脈の狭窄進行により追跡期間中に脳梗塞やTIAを呈する症例がほとんど見られていないため進行予測の有効性については十分なデーターとはなっていないのが現状である。また手術時に採取した血管壁の組織は非常に微小であり顕微鏡にて十分な検討ができる程の充分なものが得られない事がありやや難渋している。しかしながらCISS画像とは異なるCUBE画像の症例が集積されつつあり血管壁の状況が詳細になりつつある。即ちもやもや病では仮説通り血管壁の肥厚は少なく血管の外径が狭窄した血管収縮の形態をとっていることが別なモダリティーにより証明できる可能性がある。 3)手術中に採取した末梢の閉塞血管の病理組織検討からもやもや病では末梢血管の収縮も認められる可能性があることが判明した。現在3例の症例標本を得る事ができたため検討中である。 4)上記の結果から直接バイパス単独では長期の経過においてその末梢が狭窄する可能性があるため間接バイパスの手術法の検討を行っている。その過程で側頭筋を頭蓋内に埋没させる事なく安全に間接バイパスを施行する方法:fascia-muscle conversion indirect bypass operationを考案した。この方法を約15例に施行し有効性が確認された。現在論文が作成され投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来の予想に反して手術後の進行例が少なく、一度のバイパス手術で良好な経過をたどる例がほとんどである。そのため重症化する症例の予測因子の検討まで至らないのが現状である。自然経過を従来の検査/症状の変化のみで追うだけでは十分な症例数が得られない可能性が高くなって来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
症状の変化とMRAを主体にした追跡調査よりもMRIの他のモダリティー(CUBE image)などにより血管壁の狭窄の有無と血管外壁の変化を追う事で病変の進行を評価する方針に転換した方がよいと考えている。 更に術後の血管病変の評価を1年後のDSAを必ず施行し詳細な検討を行い無症状であっても血管の状況を詳細に検討する必要があると考えている。
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Causes of Carryover |
検査試薬、論文校正費などが今年度は予想外に少なかったためと思われる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文をすでにいくつか執筆中であり今後論文校正、学会参加等で必要となると予想される。
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