2016 Fiscal Year Research-status Report
神経膠腫の悪性転化原因変異のエキソーム解析と血中分泌小胞分析による鑑別法の開発
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15K10329
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
蓑島 伸生 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (90181966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 正史 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (10327653)
足立 直樹 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 技術職員 (70300853)
徳山 勤 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90313957)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低悪性度グリオーマ / グリオブラストーマ / 悪性転化 |
Outline of Annual Research Achievements |
①検体収集と事前スクリーニング: 前年度収集の11患者検体に加え、今年度新たに8患者から脳腫瘍検体および血液検体を収集した。既存/新規獲得の検体については、IDH1,2変異についての情報が無いものが含まれるため(抗体による病理情報があるものについても腫瘍組織の均質性情報を得るため)、事前スクリーニングとしてダイレクトシーケンシングによる検出を実施した。腫瘍化によるR132H変異のほか、1例R132C変異を検出した。 ②全エキソーム配列解析: 前年度検体に追加し、今年度得られた悪性転化が疑われる同一患者の悪性転化前/後の検体および血液について、次世代シーケンサ解析をおこなった。解析に使用する機器は、前年の実験実習機器センターに既設の次世代DNAシーケンサー(イルミナ社MiSeq)から、同センターに、所属機関の共通使用大型機器として新設された、さらに高機能・高データ量のNextSeq500次世代シーケンサーを用いて、全エキソーム配列情報解析を実施した。2症例についての血液および転化前/後の計6検体について、同時測定を行い、95.1Gbデータを得た。 ③血中分泌膜小胞精製用試料収集: 本実験計画申請以前に既収集済みの血液検体は、抗凝固剤添加での全血凍結保存でありこれら検体からの血中分泌膜小胞(エクソソーム)の精製は困難であるため、本年度収集ぶんより、検体獲得時に血漿成分と単核球を分離し、エクソソームおよびゲノムDNA抽出用試料として収集開始した。また、エクソソーム分離キットの評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度(平成27年度)に、主に解析に使用する機器として、実験実習機器センターに当時現有の機器よりさらに高機能・高データ量のNextSeq500次世代シーケンサーの納入が予定され、これを用いてデータ解析をおこなうことが、効率、データの精度、および費用の観点からも有利であることから達成度の遅れが生じたため、そのズレのぶん、本年度末についての達成度も遅れが生じているが、次世代シーケンサ解析以外の部分である血中分泌膜小胞の検討についての基本検討は、予定どおり開始(平成28年度以降内容として計画)しており、最終的には、遅れは回復すると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の主解析対象である悪性転化をおこした患者検体は、収集検体の極めて一部である。したがって、血中分泌膜小胞に内包される遺伝子あるいは蛋白情報の抽出については、悪性転化を起こしていない神経膠腫(グリオーマ)腫瘍検体のIDH1変異陽性について、血中分泌膜小胞を用いた検出をまず試みる。良好な結果が得られた後、悪性転化検体について、次世代シーケンサ解析で絞り込まれた転化原因遺伝子の検出を試みる。 また、同様の悪性転化前/後の検体あるいは、複数回再発するが悪性転化していない検体などの選定もこれまでと同様に進めており、同様のデータを取得することで、悪性転化に関わる塩基変化の更なる絞り込みを進める予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度未使用額が生じていたが、このぶんが今年度の次年度使用額となった。次年度に使用予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
全エキソーム抽出用試薬:SureSelect XT Human Exonキャプチャライブラリ16反応セット、XTライブラリ調製試薬(ハイブリ試薬含む)16反応セット、シーケンスラン試薬キットなど。低悪性度グリオーマ(LGG)およびグリオブラストーマ検体についておこない、LGG特異的である擬陽性などを差し引き、悪性転化に特異的な遺伝子変異の絞り込みに用いる。また、次年度予定しているエクソソームの構成蛋白および内包蛋白の質量分析計を用いたプロテオーム解析、RNA 成分の配列解析による対象変異遺伝子由来RNA同定に用いる。
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