2015 Fiscal Year Research-status Report
悪性グリオーマの腫瘍内免疫におけるWntの役割解明と治療への応用
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15K10338
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
平野 宏文 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 昭世 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50274064)
米澤 大 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (50550076)
内田 裕之 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (80404482)
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90212646)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Wnt5a / PD-L1 / 膠芽腫 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)膠芽腫におけるWnt系シグナルと,免疫活性化のシグナルの関与を明らかにするため,Wnt5a, MIB-1 LIと腫瘍免疫に関与するPD-L1(programmed cell death 1 ligand-1)の発現を免疫組織学的に検討した.【対象と方法】2回以上の手術を行った膠芽腫39例(男/女=19/20,平均年齢53.9歳)の,初回,二回目の手術標本について,MIB-1 LIを求めた.また,Wnt5a ,PD-L1の染色結果から腫瘍細胞の染色性を3段階に分け,MIB-1 LI,Wnt5a ,PD-L1発現と初回手術,二回目手術からの生存期間の関係を調べた. 【結果】MIB-1LI平均値は初回27.9%,二回目12.0%で差があった(p=0.0018)が,初回と二回目のLIに相関はなかった.PD-L1は全標本で発現を認め,二回目標本の染色性は増加11例,不変14例,減少14例で,初回と二回目に相関は認めなかった.Wnt5aとPD-L1の発現の相関は弱かった. PD-L1発現程度による群分けでは初回標本は初回手術からのカプランマイヤー生存曲線の分離が悪く(p=0.6705),二回目標本は二回目手術からの生存曲線を分離していたがp=0.1648で有意水準に達しなかった.しかし,単変量ハザードモデルではp=0.0218と有意な影響因子であった.Wnt5a発現程度による群分けでは初回標本による初回手術からの生存曲線に影響していた(p=0.0257).
(2)グリオーマ細胞株U251をWnt5aで刺激し,mRNAの発現変化をマイクロアレイで確認したところ,PTGES(Prostaglandin E Synthase), PSTPIP2, SH3TC2, CECR5-AS1などの遺伝子発現上昇が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きな問題は無く,予定通りである.
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Strategy for Future Research Activity |
膠芽腫組織の中に存在するマクロファージの側の反応についての検討を実施中である. それを踏まえ,以下の事を検討したい. Wnt5aを過剰あるいは低下制御した場合のPD-1,PDL-1など発現変化に加え,HMGB1, TRL4, RAGE, MyD88に関してその変化を調べる. 評価方法としては定量PCRによる mRNA評価, western blotの等を用いる. マクロファージの貪食能がWnt5aにより影響されるか否かを,ルミノール結合マイクロビーズ法で評価する.また,ここまでの結果を基に,臨床組織学的な検討を行なう.
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