2017 Fiscal Year Annual Research Report
The screening of somatic mutations using whole exome sequencing in brain malformations
Project/Area Number |
15K10367
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中島 光子 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20541965)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 体細胞変異 / 全エクソーム解析 / TAS解析 / droplet digital PCR / GNAQ / MTOR / ラパマイシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では体細胞変異に起因すると強く疑われている複数の疾患について病変組織と正常組織のペア検体を入手し、全エクソーム解析を用いて未知の体細胞変異を同定することを目的とし解析を行った。我々は数%の低頻度体細胞変異を同定するために、複数の体細胞変異解析ツールを用いることで感度・特異度を改善し、1%という超低頻度の体細胞変異の同定に成功している。また、非常に高感度な変異解析機器であるdroplet digital PCRを併用することで、1%未満の超低頻度モザイク変異の検出も可能となっており、これら多様な解析手法や機器を用いることで高い変異同定率を得ることに成功した。 Sturge-Weber症候群(SWS)では、解析を行った15症例のうち12症例(80%)においてGNAQ遺伝子のc.548G>A (p.R183Q)モザイク変異を同定した。本変異は現在SWSの診断基準の一つとなっており、SWSが疑われる患者の診断に大きく貢献することが期待される。 限局性皮質異形成症(focal cortical dysplasia:FCD)については、FCD患者のエクソーム解析およびTargeted amplicon sequencing (TAS)解析法を行ったところ、MTOR遺伝子の低頻度体細胞変異を同定した。また、MTOR変異陽性患者の脳組織検体において、他の疾患の脳組織に比較してmTOR経路の著しい活性化が認められた。更に、全てのMTOR変異体はPI3K-AKT3-mTOR経路を賦活化する活性型変異であることが示唆された。 mTOR蛋白は免疫抑制剤の一つであるラパマイシンの投与がMTOR遺伝子変異によるmTOR経路の活性化を抑制することが示されており、ラパマイシンおよびそのラパログをFCDに起因する難治性てんかんの治療薬として応用できる可能性が期待される。
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Research Products
(1 results)