2016 Fiscal Year Research-status Report
1H MRSI脳内酸化ストレス画像法による神経疾患の診断と予防法の確立
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15K10377
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Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
樋口 敏宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80218700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
田中 忠蔵 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 名誉教授 (80163541)
渡邉 康晴 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (90454537)
河合 裕子 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (90555616)
村瀬 智一 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 客員助教 (00708943)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳 / 酸化ストレス / MRS |
Outline of Annual Research Achievements |
グルタチオン(GSH)の検出に引き続き、抗酸化物質であるアスコルビン酸(ビタミンC)を1H-MRSを用いて観測するための基礎的検討を行った。検出には臨床用3テスラ MRI装置(SIEMENS, Trio)を用い、γ-アミノ酪酸(GABA)の計測で利用しているシーケンスを応用した。当該シーケンスは選択的に原子核スピンを反転させ化学結合している原子核の磁化を反転させる技術である。アスコルビン酸は3.73ppm, 4.01ppm, 4.50ppmの1H-MRスペクトルを有するため、反転パルスは4.01ppmのスピンに適用し3.73ppmのピークの検出を目指した。しかしながら、ヒト脳においてアスコルビン酸の明確な分離は実現できなかった。アスコルビン酸を含むファントム測定では、アスコルビン酸のピーク位置に一致する特徴的なピークが確認できている。生体脳における3.7ppm付近はGlx(グルタミン酸・グルタミン)などに関係する複数のピークが重なる領域であり、アスコルビン酸の定量評価には更なるシーケンスの追い込みが必要である。加えて、7テスラのMRI装置を用いたGSH測定を実施した。3テスラのGSH測の場合、反転させる磁化のケミカルシフトは水のケミカルシフトとの差が23Hzであり、7テスラでは57Hzである。3テスラでは分離が難しいために水信号の消去が事実上困難であったが、7テスラを利用することでわずかではあるが水の消去が可能となった。また、7テスラでアスコルビン酸が検出できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体脳での検討は例数が不足しているが、シーケンスおよび解析環境のブラッシュアップを行い、生体での検討の追加によって課題の目的を完遂することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者を対象とした脳内GSHおよびAscの定量評価を可能とするため、ファントムを用いてシーケンスの追い込みを実施し、一般臨床で使用されている3TのMRI装置での実用化を目指す。特に脳内代謝物量の変化について検討する。
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Causes of Carryover |
謝金を必要とするボランティア実験に至らなかったため、謝金を必要としなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者謝金およびデータ処理依頼に対する謝金として使用する。また、ファントム作成のための薬品購入および封入材料の調達に充てる。
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Research Products
(4 results)