2018 Fiscal Year Research-status Report
先天性側弯症発症におけるAGBL5遺伝子の作用機序解析
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15K10395
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 幸男 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (00549488)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性側弯症の原因候補遺伝子としてagbl5遺伝子を同定している。 agbl5遺伝子はヒト、マウス、ゼブラフィッシュなど種を超えて高度に保存されているため、生命現象に重要な役割を果たす遺伝子と考えられる。 本事業では、生後早期のゼブラフィッシュを用いて、whole-mount in situ hybridizationを行い、脳、眼、胸ひれの一部にagbl5遺伝子が強く発現していることを見出した。また、agbl5遺伝子特異的ノックダウンゼブラフィッシュを作製したところ背側化促進現象を認めた。つまり、agbl5遺伝子の機能喪失が起こると体軸形成に影響を与える可能性が示唆された。生体の背側化・腹側化現象には骨形成タンパク質であるBMPシグナル、WNTシグナルなどが主に関与する。そこでまずagbl5とBMPシグナルの関連性を調べた。ゼブラフィッシュを用いた実験系において、agbl5と骨形成タンパク質であるbmp2bの共発現により、bmp2b過剰発現に伴う腹側化促進現象がagbl5過剰発現によりレスキューできた。以上よりagbl5はBMPシグナルを制御している可能性が示唆された。一方で、agbl5とWntシグナルの関連性を検証したが明らかな関連性は示さなかった。 さらに培養細胞を用いてagbl5遺伝子の機能を検証した結果、マウス10T1/2細胞を用いた実験ではagbl5遺伝子のトランスフェクションによりアルカリフォスファターゼ活性の低下をみとめた。 以上より、agbl5はゼブラフィッシュ、培養細胞を用いた実験によりBMPシグナルを制御している事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書の申請内容をほぼ遂行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度を経過し、研究自体は終了とする。 本年度は結果の発信を行う予定である。
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