2015 Fiscal Year Research-status Report
力学的強度を保ちつつ挿入可能な椎弓根スクリュー径に関する検討
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15K10409
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
播广谷 勝三 九州大学, 大学病院, 講師 (40335972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 健介 九州大学, 大学病院, 助教 (00717069)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 椎弓根スクリュー / 椎弓根拡大率 / 力学的強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今日最も多用されている脊椎固定手術材料である椎弓根スクリューの安全性と固定力を検証することを目的にしている。 実験では、スクリュー挿入時の椎弓根拡大率と生体力学的強度の関係を明らかにするため、死体ブタ脊椎を用いてCT画像解析と力学強度試験を実施した。方法は、椎弓根スクリュー用のタップで、死体ブタの椎弓根中央にタップ溝を作成した。タップ抜去後にマイクロCTを撮影し、椎弓根径を計測して拡大率を算出した。また、スクリュー(6.5mmから14.5mm径)を挿入した椎体をそれぞれセメントで治具に固定し、インストロン社製万能試験機ロードセル100kNで力学試験を実施した。 結果は、スクリューの多段階挿入にて、椎弓根は骨折なく、若年で1.25 倍、成体で1.17 倍拡大した。若年ブタの椎弓根拡大率は成体ブタに比較して有意に高かった。また、骨折が生じない範囲では、引き抜き試験で最大力学強度の低下は見られなかった。 研究結果は、米国整形外科基礎学会 Orthopaedic Research Society (ORS)ならびにヨーロッパ整形外科学会 European Federation of National Associations of Orthopaedics and Traumatology (EFORT) の学術集会で報告を行った。 現在は、椎弓根拡大に伴う骨梁の形態変化と力学的強度の関係についても検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
米国ならびヨーロッパの国際学会で研究成果の報告を行ったが、European Federation of National Associations of Orthopaedics and Traumatology (EFORT)では、脊椎部門のbest posterに選出されるなど、国際的にも高い評価を受けており、研究は順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降は、骨膜が骨折予防ならびに力学維持に及ぼす影響の解析を進めていく。 動物用高磁場MRI ならびに組織学的検討にて、椎弓根スクリューの多段階刺入に伴う骨膜の形態変化様式を評価し、骨膜が年齢による骨折形態の違いに与える影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
為替レート変動ため、年度末に参加した国際学会参加費用が予測より安くなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品購入費にあて、更なる実験の充実を図る。
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Research Products
(2 results)