2015 Fiscal Year Research-status Report
骨強度評価を用いた癌骨関連有害事象発生リスク予測法の確立―有限要素解析の応用―
Project/Area Number |
15K10423
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
若尾 典充 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80528802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 正吾 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20351108)
住友 誠 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50255535)
三嶋 秀行 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70520881)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 転移性骨腫瘍 / 骨強度評価 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
院内Cancer boardに登録された進行癌・骨転移症例の①転移椎体骨の骨強度評価、②転移椎体隣接の正常椎体骨強度評価、③それぞれの椎体骨強度の経時的変化を測定しその後の有害事象発生の有無ならびにQOLを追跡している。 現在Denosumabによる骨修復治療に同意し、かつ本研究への参加同意症例は計10例となった。原発は前立腺2例、乳腺2例、大腸2例、腎2例、肺2例である。 骨強度はCT画像で溶解像を呈するものは隣接正常椎体に比較して有意に低下していた。混合型の骨強度も低下していたが、骨硬化所見を呈する症例の罹患椎体骨強度は低下していなかった。また骨強度はDenosumabの介入により経時的に上昇し、疼痛・QOLの改善も6ヶ月の治療後に有意に改善を認めた。骨関連有害事象は発生していない。肺がん症例のうち一例は死亡した。その他は存名中である。 今後は癌腫、手術歴の有無、放射線治療の有無などの交絡因子を含めて多変量解析を施行することで骨関連有害事象の回避に有効であった因子の解析と、骨修復薬投与を考慮する骨強度の側面からの投薬基準策定を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究立案時点で協力を依頼した科・部署との連携が非常にスムーズであるため、研究予定から遅れることなくプロジェクトを推進している。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階の10症例の検討で、すでに骨修復薬による治療介入により骨強度低下症例の骨強度上昇効果が有意であることが確認できた。これはあたらしい知見として論文化を考えている。
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Causes of Carryover |
当初予定していた人件費を低く抑えることができたため、余剰財源を翌年度以降で償却することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベース構築に必要な人件費もしくは備品購入に用いる。
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Research Products
(8 results)