2015 Fiscal Year Research-status Report
臨床に即した生体内骨強度測定法の開発:受傷から治癒までの全過程解析への挑戦
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15K10430
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 崇根 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30513072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鳥 精司 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40361430)
國吉 一樹 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40375788)
松浦 佑介 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60638336)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有限要素法 / 骨強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、基礎研究として研究1-1インプラントのハレーションがCT値に与える影響調査、研究1-2未成熟骨の材料特性の特定に取り組んだ。臨床研究として研究2-1前腕骨骨幹部骨折のPlate固定患者における長期固定後の骨強度調査を行った。研究1-1は新鮮凍結屍体の橈骨(6本)を使用して実験を行った。インプラントを設置しCT撮影を実施後コンピューター上でインプラントを除去した群(Computed removal group)と実際にインプラントを抜去してから再撮影した群(Actually removal group)を比較・解析した。その結果、前者では骨強度予測値は実測値と比較して32.3%高いことが明らかとなった。この差はハレーションによるCT値の変化であると考えている。研究1-2は兎を用いた実験であるが、大腿骨に安定した創外固定を立てることがデータを収集する上で重要である。今回創外固定装着後、ピンの折損、ピン刺入部の骨折などの問題が発生しており、ピンの太さ、間隔などの最適な部位を試行錯誤して調査中である。研究2-1は5年以上plateを抜去しなかった前腕骨骨幹部骨折の対象38人のうち、同意を得られた15名に対して解析を行った。locking plateを使用した群(L群8例)、conventional plateを使用した群(C群7例)を比較し、皮質骨厚、骨密度、骨強度ともにL群が有意に低下していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1-1は順調に実験が終了し結果が出た。研究1-2は創外固定中にピン周辺のトラブルが頻発し、至適位置の確立を現在急いでいる。1羽ずつ確認をしており、最終プロトコールを決定するにはあと少し時間が必要である。研究2-1は平成27年度分は予定通り実施出来た。対象が現在38名見つかっているが、同意を得られた患者が15名に留まっているため、初年度に論文化した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は前半に兎の基礎研究の最終プロトコール確立する予定である。創外固定が安定しないと仮骨形成がスムーズにできない。実験予定期間の間、安定して固定できる至適位置を調査し、決定する。研究2-2に同意してくれる患者のリサーチを継続する。
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Causes of Carryover |
兎の創外固定を設置する位置の決定に、予定より時間を要したために兎購入代金が少額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度早々に仕様を決定して動物購入を行い予算を執行する予定である。
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