2016 Fiscal Year Research-status Report
肩腱板断裂の再生治癒を目的とした滑膜間葉系幹細胞移植
Project/Area Number |
15K10432
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
望月 智之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (20436637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関矢 一郎 東京医科歯科大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10345291)
二村 昭元 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40622098)
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50190864)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肩腱板断裂 / 滑膜由来間葉系幹細胞 / 再生治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度は下記の実験を行った。 腱板断裂修復モデルに対する同種滑膜由来MSCsの移植
ラットに肩甲下筋腱断裂を作成し、ラットの膝滑膜由来の幹細胞(MSCs)移植を行い、2、4,8週において力学的強度および組織学的評価を行いその有用性の評価を行った。 膝滑膜由来の細胞を用いた理由としては、前年度の研究において肩滑膜由来の細胞と膝滑膜由来の細胞の比較を行い、増殖能および分化能において、膝滑膜由来細胞の方が優れていたからである。また移植細胞の動態をDiI標識をした膝滑膜由来MSCsを用いて評価した。引っ張り強度においては、2週において細胞移植を行った群が、移植を行わず修復のみを行った群に比して高い傾向を認めたが、4週および8週においては有意差は認めなかった。組織学的評価においては、腱骨付着部の細胞核数、血管数、collagen fiber orientationの評価を行った。細胞核数と血管腔数においては、ずべての週において細胞を移植した群において少ない傾向にあり、collagen fiber orientationにおいては、細胞を移植した群においてより線維方向が揃った組織形態を呈した。Dil標識したMSCsは術後2週において腱修復部や周囲組織に検出された。この結果から移植した膝滑膜由来のMSCsは肩甲下筋腱断裂修復部に留置し、修復部すなわち腱骨付着部のEnthesis構造の再生を促進する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラットを用いた実験のよって滑膜幹細胞移植によって、腱板修復が促進されるというデータを得ることが出来た。当初の予定ではラットで良い結果が得られたときは、より大きなラビットを用いてその有用性を検討する予定であった。ラットの組織作成および評価に時間がかかってしまったため、まだラビットを用いた実験は行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究計画の最終年度になるため、研究結果の論文投稿に専念する予定である。投稿過程における再実験などを考慮するとラビットを用いた実験に着手するのは得策ではないと考えている。
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Causes of Carryover |
物品費に関しては、実験室に既存の器材や薬剤を用いることにより、予定していたよりも低経費によって実験を遂行することが出来た。また当初予定していたラビットを用いた実験を行わなかったため予定していた経費を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、国内外で積極的に発表を行うと同時に、英語論文を作成する予定である。
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