2017 Fiscal Year Annual Research Report
CDK4 target therapy for bone and soft tissue tumors
Project/Area Number |
15K10434
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
生越 章 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (80323963)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脂肪肉腫 / CDK4 / MDM2 / 骨外性骨肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
1:骨軟部腫瘍におけるMDM2、CDK4の発現 148症例の骨軟部肉腫のMDM2,CDK4のmRNAの発現を定量的PCRにて評価した。MDM2,CDK4,いずれも正常脂肪に比して二倍以上の高発現している腫瘍は高分化型脂肪肉腫32/35例、および脱分化型脂肪肉腫5/5例であり、この二つのタイプの脂肪肉腫に極めて特異性が高かった。なお骨外性骨肉腫と診断されていた4例中2例に両者が高発現していたが、再度病理組織所見を検討した結果、脱分化型脂肪肉腫と訂正診断がなされた。すなわち両因子が高い腫瘍は一見ほかの組織型に診断されても脱分化型脂肪肉腫である可能性が高いことを念頭に置く必要がある。この研究結果は「骨外性骨肉腫と脱分化型脂肪肉腫の鑑別におけるCDK4とMDM2の発現差異」として論文作成中である。 2:CDK4阻害剤による脂肪肉腫の増殖抑制試験 二種類のCDK4阻害剤(LY2835219,PD0332991)を用いて増殖抑制試験をin vitroにて行った。脂肪肉腫細胞NDDLS1に対するIC50はLY2835219で19.5μmol/L, PD0332991で45.8μmol/Lであり、線維肉腫細胞HT1080ではそれぞれ17.7μmol/L、50.6μmol/L、であった。一方乳がん細胞MCF7ではいずれも856μmol/L,2080μmol/LでありMCF7に対しては両肉腫の感受性は高かったが、CDK4高発現している脂肪肉腫に特異的に阻害剤が作用するという当初の仮説は否定された。これはNDDLS1細胞においてはCDK4のみが増殖を規定している因子ではない可能性を示す実験結果と推察している。
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Research Products
(1 results)