2016 Fiscal Year Research-status Report
microRNAをターゲットとした新規骨再生療法の開発
Project/Area Number |
15K10443
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大江 啓介 神戸大学, 医学部附属病院, 医学研究員 (20514623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 隆宏 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (40448171)
李 相亮 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40533732)
岩倉 崇 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60437473)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microRNA / 骨再生 / 偽関節 / 骨折 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度施行したラット大腿骨髄内釘固定モデルにおける、miRNA microarrayによる網羅的解析およびreal-time PCRの結果から、骨折治癒に重要な役割を果たしていると予想される「血管新生に関連するmiRNA」としてmiR-126aおよびmiR-146aを選定し、それらをターゲットとした動物実験を行うこととした。 具体的には、ラット大腿骨偽関節モデルを用い、偽関節部にmiR-126aもしくはmiR-146aに対応するanti-miRNA oligonucleotideを偽関節モデルの偽関節部に移植し、偽関節部の治癒・骨再生が起きるかを検討した。この偽関節モデルは、大腿骨を髄内釘固定した後に大腿骨骨幹部に骨折を作成した後、骨折局所を切開・展開し、周囲軟部組織を剥離、骨膜を焼灼することで骨折が治癒に至らなくなり、8週間放置すると偽関節となるモデルである。 これらのanti-miRNA oligonucleotideを一定の容量(15 ug)で移植し、モデル作製後8週で骨再生能をX線学的および組織学的評価を行った。しかし、miR-126a・miR-146aいずれのanti-miRNA oligonucleotideでもcontrolであるvehicle投与群と比べ、部分的な骨再生は認めるものの完全な治癒には至っておらず、容量に過不足があると推測された。現在、至適な容量を探るべく、複数のdoseでの移植実験を計画中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
単一の容量のmiR-126aもしくはmiR-146a anti-miRNA oligonucleotideをラット大腿骨偽関節部に移植する動物実験を進めてきたが、予想された骨再生が起こらず、複数の容量での実験を行い至適なdoseを選定する必要性が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように、複数の容量でのmiR-126aあるいはmiR-146a anti-miRNA ligonucleotideをラット大腿骨偽関節部に移植する動物実験を進め、至適容量を探索する。容量が決定すれば、経時的に(モデル作製後2・4・8週)骨再生能・血管再生能を評価する。具体的には、ドップラー計による下肢の血流評価、X線学的評価 (microCTを含む)、組織学的評価(免疫染色を含む)、遺伝子学的評価(real-time PCRにて骨・軟骨・血管新生関連マーカーを評価)を行い、さらに大腿骨の力学的強度測定による力学的評価も行う。コントロール(vehicle群)に比べ、偽関節部の骨性治癒が得られているかを検討する。
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Causes of Carryover |
当初移植実験として想定していた合成二本鎖miRNAの移植実験を行わないこととなったため。また、想定した結果が得られなかったため、real-time PCR解析を含む遺伝子学的解析や力学的試験、microCT評価を行わなかったっため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前述したように至適容量が決定されれば、遺伝子学的解析や力学的試験、microCT評価を行い、骨再生能を評価していく予定である。
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