2016 Fiscal Year Research-status Report
整形外科インプラントのMRI発熱予測システムの開発
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15K10447
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野田 知之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40432645)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MRIインプラント発熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
模擬インプラントを作成し、装置ごとに発熱計測を行った。 インプラントをファントム内で同じ位置・同じ角度に設定しても撮像シークエンスによって発熱量が異なることが判明した。撮像シークエンスごとに固有のパワーがあり、そのパワーと発熱量が相関することが判明した。結果的に発熱量の予測式を作成することができた。しかし装置ごとにパワー表示が異なるため複数の装置の発熱予測を満たす式を作成することは困難であることが分かった。また装置ごとに表示されたパワーと実際の出力パワーに乖離があることが分かった。これについてはメーカーに協力を仰ぎ、実際の出力を計算する方法を検討中である。 装置ごとに最も発熱する角度としない角度がある事もわかった。その角度は装置ごとに長軸に対して0度であったり90度であったりと異なる。MRI装置のコイルの位置で決定されると思われる。他にもファントム内に深くインプラントを沈めるほど発熱量は抑制されることが判明した。 このようにMRI撮像時のインプラント発熱量は、シークエンスのパワー、インプラントの角度、体表からの位置で決定される事が判明した。インプラントの体表からの位置は撮像時に変更することはできないため、発熱量を抑制するには撮像時の体位とシークエンスのパワーを最も発熱が少ないと予測される値に設定する事である。装置ごとに角度・予測式は異なるが、これらの情報が判明していれば、インプラントが入った患者さんをMRI撮像せざるを得ない時に最も発熱が少ない方法を設定することが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インプラントの発熱シミュレーションを開発する予定であった。 インプラントの体表からの深さ、MRI装置内の角度、MRI装置のパワーから予測式が作成できることが判明した。 装置ごとにパワー表示が異なるため装置ごとに予測式を作成することが必要である事が判明した。パワーと発熱量は線形の関係にあるため、現在装置ごとに係数を決定するため総当たり式に計測を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
装置ごとにパワー表示が異なり、装置によっては表示パワーと出力パワーの間に乖離があることが分かった。臨床利用のためには予測が必要であるため、パワー表示の問題を装置メーカーと協力して解決する予定である。 また装置ごとに予測式の係数が異なるため装置ごとに総当たりで計測を行う予定である。
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Causes of Carryover |
発熱計測用の装置を購入予定であったが、既存の装置を利用することで予定装置と同程度の計測が可能であることが判明したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計測装置は既存装置で可能であることが判明した。しかし結果を出すには当初予定したよりも多くの計測回数が必要であることが判明したため、その計測費用に予算を使う予定である。
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