2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular analysis of mechanical stress response in joint formation
Project/Area Number |
15K10467
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
瀧上 伊織 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90610410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 治彦 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60402830)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨・軟骨代謝学 / 関節軟骨 / メカニカルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、メカニカルストレス負荷と関節形態形成との関連を解明しようとするものである。われわれは、先天性股関節脱臼に着目し、その解析を目的としてラットの新生児の股関節、膝関節を伸展位で10日間固定する方法により、股関節脱臼モデルラットを作製した。肉眼所見、単純X線、CTにより、本ラットはヒトでみられる所見と同様に大腿骨頭の変形および寛骨臼の形成不全が認められることを確認した。 モデルラットの股関節組織を脱灰ののちにHE染色、サフラニンO-ファストグリーン染色を施行し、組織学的にも脱臼モデルでは骨頭および寛骨臼の形成不全がみられることを確認した。脱臼モデルではコントロールラットに比してY軟骨および寛骨臼軟骨では軟骨細胞の数が減少し、細胞の配列の規則性が失われていた。さらに免疫組織染色にて関節軟骨のタイプIIコラーゲンの染色が低下していることが判明した。これらは先天性股関節脱臼によるメカニカルストレスのない状態が関節形態形成に強く影響していることを示している。 次にモデルラットとコントロールラットからY軟骨と寛骨臼軟骨を採取し次世代シークエンサーを用いて遺伝子発現解析を行い、発現変動を認める遺伝子を同定した。さらに、モデルラットとコントロールラットの寛骨臼から関節軟骨を採取し、mRNAを抽出してreal-time RT-PCRを行ったところ、次世代シークエンサーで確認した遺伝子変化と同様の結果が得られた。 これらの結果は、適切なメカニカルストレスが加わらないことにより、軟骨形成や維持に関わる遺伝子が低下し、その結果変性に至る可能性を示唆している。
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