2016 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症におけるEPAの治療薬としての有効性検討
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15K10472
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 申也 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20437487)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | EPA |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続きC57BL6Jマウス(野生型)に対してDMM modelを作成しEPAを投与しOAの進行を予防できるか検討している。Sham手術、DMM手術群をコントロールとして、DMM作成時にEPAを関節内に1回投与する群、ゼラチンハイドロゲルにEPAを浸潤させ手術時に投与する群を作成し、術後1,8週でsacrificeし膝関節の組織を検討している。検討項目としてOA変化をサフラニンO 染色、滑膜炎の評価として滑膜組織をH-E染色、軟骨基質分解マーカーとしてMMP-3, MMP-13の免疫組織染色, 炎症機序としてF4/80, TNF-α, IL-1 betaの免疫組織染色を検討したところ、コントロール群に比較してEPA投与群ですべての項目に関して8週でOA変化の抑制、具体的には8週時点においてEPA投与群では有意にOARSI scoreの低減。炎症性マーカーの抑制、軟骨基質分解抑制を認めた。ゲル群と単回注射投与群を比較するとゲル群において8週で有意に上記抑制された。1週においても滑膜の炎症性変化の抑制 (Synovitis score)、さらに炎症性のマーカーはすべての項目においてコントロール群に比較してEPA投与群で抑制された。さらにゲル群と単回注射投与群を比較するとゲル群において上記炎症に関連する変化はゲル群で有意に抑制された。すなわちEPAは変形性関節症変化で起こる炎症反応の増強を抑制することにより関節症性変化を抑制することが考えられる。さらにEPAの投与方法としてゼラチンハイドロゲルにEPAを浸潤させることで、長期間EPAを徐放でき、臨床上の投与を考えた場合適した方法であると考えられる
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた項目はすべて終了しておりおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
全身の変化をみるため血清中の炎症性サイトカインの評価を行ったうえで、昨年度の結果を再検証し、論文作成に取り掛かる。
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Causes of Carryover |
購入予定にしていたものが在庫がなく購入延期となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度分と合わせて研究を完成させるために使用する。
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Research Products
(1 results)