2016 Fiscal Year Research-status Report
DcR3をコアとしたシグナルクロストークを介した関節リウマチ新治療の検討
Project/Area Number |
15K10473
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三浦 靖史 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (60346244)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、RA滑膜線維芽細胞におけるTL1A-DcR3/DR3、LIGHT-DcR3/HVEM/BTLAシグナル経路制御に関わる分子を探索して、RAの病態に関わる分子を同定するとともに、DcR3が関与する両シグナル経路においてアポトーシス誘導に最も適した標的分子を決定することである。 これまでに、培養RA滑膜線維芽細胞4株を、TL1A、LIGHT、FasLリコンビナント蛋白で刺激の後、RNAを抽出して、未刺激の細胞を対照群としたGeneChipを用いたDNAマイクロアレイ解析を行って、TL1A、LIGHT、さらにはFasLによってRA滑膜線維芽細胞に発現誘導あるいは抑制される遺伝子の網羅的検討を行った。その結果、LIGHTによる遺伝子発現制御について検討し、遺伝子の特に発現に変動が認められた上位100遺伝子を明らかにして、第60回日本リウマチ学会総会、第18回アジア太平洋リウマチ会議(APLAR 2016) 、第63回米国整形外科基礎学会(Annual Meeting of the Orthopaedic Research Society)で報告を行った。また、DcR3がRA滑膜線維芽細胞においてRA疾患特異的にIL-12Bの発現を細胞表面のTL1Aを受容体として誘導することを明らかにし、その成果は、科学雑誌Molecular Medicine Reports (13:3647-52)に「Interleukin-12B is upregulated by decoy receptor 3 in rheumatoid synovial fibroblasts」のタイトルで論文として掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TL1A、LIGHTと、さらに DcR3のもうひとつのリガンドであるFasLによって、RA滑膜線維芽細胞に発現制御される遺伝子のリスト作成を完了しており、リガンドの相違による誘導遺伝子の相違の解析は、当初の予定に従って、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当初の予定に従い、RA滑膜線維芽細胞に、トランスフェクション法により、マイクロアレイ解析により決定したDcR3をコアとしたシグナル経路の制御に関わる候補分子のsiRNAを導入して、各遺伝子の発現を抑制した際の、アポトーシス誘導に対する感受性の相違について、ウェスタンブロット、TUNEL法によって検出して、アポトーシス誘導に最も適した DcR3-TL1Aシグナル経路における標的分子を同定する予定である。 なお、研究の推進のために、近年、入手が徐々に難しくなっているRA滑膜検体の入手のための協力先の拡大を図る予定である。
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Causes of Carryover |
試薬の発注が年度末であったために、納品ならびに支払いが次年度となったため。また、当初発表予定であった国際学会に演題採用されなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成29年度の早期に次年度使用分について使用を完了する予定である。また、本年度、再度、関連する領域の国際学会への演題応募を行う予定である。
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Research Products
(5 results)