2015 Fiscal Year Research-status Report
PLGAマイクロカプセルによる新規DDSを用いたスタチン剤の変形性関節症への応用
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15K10478
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡崎 賢 九州大学, 大学病院, 講師 (10398092)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 軟骨細胞 / スタチン / 薬物治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
【培養軟骨細胞および滑膜細胞に対するスタチン製剤投与効果の比較】 ヒト変形性膝関節症患者の廃棄される関節軟骨由来の軟骨細胞および滑膜細胞の初代培養において、フルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチンの投与を行い、アグリカン、II型コラーゲン、MMP13の遺伝子発現を解析した。その結果フルバスタチンがアグリカンとII型コラーゲンの遺伝子発現を上昇させ、MMP13の遺伝子発現を低下させる効果が最も強いことが判明した。次にフルバスタチンの軟骨細胞に対する細胞毒性を明らかにするために、濃度を1μMから25μMまでふってヒト変形性関節症軟骨細胞初代培養に投与し、24時間後の細胞生存率を調べたところ、25μMまで生存率は約100%であることが分かった。フルバスタチンの至適濃度を明らかにするために、1μMと10μMでアグリカン、II型コラーゲン、MMP13に加えて、Sox9の遺伝子発現も調べた。10μMでより効果が高いことが分かった。IL-1βをヒト変形性関節症軟骨細胞に投与するとMMP13の発現が増強するが、培養液中に放出されたMMP13の蛋白濃度を解析すると、フルバスタチンを10μM投与することで有意にMMP13の分泌量が低下することが明らかとなった。 【PLGAマイクロスフェアの作成】 フルバスタチン含有PLGAマイクロスフェアを作成し、除放効果を解析した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画にのっとった研究が進められており、有益な結果がでている。
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Strategy for Future Research Activity |
【PLGAマイクロスフェア封入フルバスタチンの最適化】 除法性能を最適化するための薬剤濃度比を決定する。 【変形性膝関節症動物モデルへの投与】 ウサギ前十字靱帯切離による変形性膝関節症動物モデルを作成し、PLGAマイクロスフェアに封入したフルバスタチンの関節内単回投与による治療効果を解析する。ACL切離後1週で関節内投与を行い、その4週後に安楽死させ、組織学的解析を行う。
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Causes of Carryover |
計画的に執行したが、端数として12429円が残った。次年度の予備費として有効利用したい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度必要となる試薬などの消耗品に使用したい。
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