2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K10483
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
濱中 良志 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (60274750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 秀克 大分大学, 医学部, 客員教授 (00222430)
花田 俊勝 大分大学, 医学部, 助教 (10363350)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨の成長 / 成長ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までの研究で、セクレターゼ欠損マウスは、発育遅延を認め、その原因の一つが骨の成長を促進するホルモンである成長ホルモン(下垂体前葉由来)の分泌減少であることを報告した。 下垂体前葉から分泌される成長ホルモンの減少している原因を検討するために、最初に、下垂体前葉からRNAを抽出して、成長ホルモンのmRNAを野生型とセクレターゼ欠損マウスでリアルタイムPCR法で比較した。その結果、セクレターゼ欠損マウスでは、成長ホルモンmRNAの発現が優位に低下していた。 次に、成長ホルモンの下垂体前葉を制御している視床下部から分泌される成長ホルモン放出ホルモンの血中濃度を野生型マウスとセクレターゼ欠損マウスで、ELISA法で比較検討した。その結果、セクレターゼ欠損マウスでは、野生型マウスに比べて、ELISA法にて成長ホルモン放出ホルモンの血中濃度が上昇していることが観察された。 以上のことより、セクレターゼ欠損マウスでの成長ホルモンの減少に対して、正のフィードバックがかかったためであることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セクレターゼ欠損マウスの発育遅延の原因をつきとめるために、成長ホルモンに焦点をしぼって研究を進めている。昨年までに報告してきた、欠損マウスにおける血中での成長ホルモンの低下は、下垂体前葉でのMRNA発現低下によるものであることが判明した。血中レベルの成長ホルモンの低下が下垂体の上位器官である視床下部での正のフィードバックを促進して、成長ホルモン放出ホルモンの上昇を引き起こしていることを観察している。少しづつではあるが、確実に、欠損マウスの骨の成長遅延の原因を明らかにできている。
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Strategy for Future Research Activity |
セクレターゼ欠損マウスにおいて、血中の成長ホルモン放出ホルモンが上昇しているにもかかわらず、成長ホルモンが減少していることが判明した。下垂体前葉の成長ホルモン放出ホルモンの受容体が、変化している可能性を検討する。さらに、下垂体前葉における成長ホルモン放出ホルモンの受容体の減少が認められれば、転写・翻訳・翻訳後のプロセスに異常が無いかを検討する。
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Causes of Carryover |
交付金初年度に、勤務先の移動があったため、当初の計画予定の遅れが生じたため。
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