2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis for pathogenesis of shoulder degenerative disease
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15K10484
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
谷口 昇 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20626866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 利博 東京医科大学, 医学部, 教授 (90260752)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋脂肪変性 / 肩腱板断裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はHMGB2の脂肪分化制御因子としての新しい役割について検討してきた。近年、骨格筋への異所性脂肪浸潤は、筋間に存在するPDGFRA陽性間葉系幹細胞(MSC)がその起源細胞であるとの報告があるため、腱板断裂後の筋内脂肪浸潤のメカニズムにおけるHMGB2とPDGFRAの関係について検討を加えた。 DNAマイクロアレイの結果では、脂肪分化関連マーカーに加えPdgfraの発現がHmgb2ノックアウト(KO) MSCで有意に低下していた。MSCは脂肪分化誘導過程において、野生型(WT)MSCではHmgb2発現上昇に遅れてPparg、Cebpaが上昇し脂肪分化が進んだが、Hmgb2 KO MSCではPparg、Cebpa同様にPdgfraの発現はみられず、脂肪分化は誘導されなかった。In vivoの実験では、ラットモデルの棘上筋の筋間にHMGB2陽性細胞が多数認められ、これはヒト由来の棘上筋においても同様であった。断裂筋の筋間細胞では、PDGFRAとの共発現を示すHMGB2陽性細胞がみられた。 ラットモデルの棘上筋の筋間脂肪細胞出現の時期は、我々のラット棘上筋腱切離モデルでは12週以降と予想より遅かった。このため、HMGB2レンチウィルスを感染させ、脂肪変性の抑制効果について検討する実験においては、感染時期や濃度など、さらなる条件検討が必要と考えた。早い時期での筋内脂肪変性を実現させるため、棘上筋断裂に加えて、棘下筋断裂、さらには肩甲上神経切離を加えることも検討しているが、実際の病態との整合性も含めた慎重な実験デザインが必要である。
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Research Products
(16 results)