2016 Fiscal Year Research-status Report
キメラ培養系を利用したヒト破骨細胞共存培養分化系確立の試みと分化メカニズムの解析
Project/Area Number |
15K10488
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 浩二郎 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (10372434)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(RA)では破骨細胞が骨破壊に寄与すると考えられている。破骨細胞は前駆細胞と骨芽細胞の共存培養によりin vitroで分化させることが可能だが、関節滑膜には骨芽細胞が存在しないためRAでは滑膜線維芽細胞が骨芽細胞と同様の役割を担って破骨細胞分化を誘導することが想定されている。本研究ではヒトの共存培養系に準じた系として、マウス骨髄細胞由来破骨細胞前駆細胞とヒト滑膜線維芽細胞によるキメラ共存培養を行い上記の仮説を検証することを目的としている。この実験が可能と考えられる根拠は、マウス破骨細胞前駆細胞がヒトのM-CSFおよびRANKLにより破骨細胞に分化するという実験事実である。 マウス共存培養と同じ条件でRA患者滑膜由来の滑膜線維芽細胞とマウス破骨細胞前駆細胞を培養し7日後にTRAP陽性の多核細胞の有無を観察した。その結果、キメラ共存培養ではそもそもマウス由来細胞の生存が維持されなかった。実際、滑膜線維芽細胞培養上清に含まれるM-CSFの濃度は極めて低値であった。マウス破骨細胞前駆細胞の代わりにRaw 264.7細胞を用いたところ、この細胞はM-CSF非依存性のため生存可能であったが、破骨細胞様細胞は分化しなかった。 上記の結果を踏まえ、キメラ培養系にM-CSF/RANKLを添加して初めてTRAP陽性多核細胞が分化した。また滑膜線維芽細胞培養上清に含まれるOPG(RANKLシグナルを阻害する囮受容体)の濃度はマウス骨芽細胞に比べて著明に高値であった。このことから、骨芽細胞と異なり滑膜細胞はM-CSFの産生能が低く、またOPG産生能が高いため破骨細胞の誘導能が低いことが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りキメラ共存培養系の基本的な実験を遂行し、ヒト滑膜細胞とマウス骨芽細胞の性質の異同が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後キメラ共存培養系の解析からヒト単球系細胞と滑膜細胞の共存培養へ移行する。フローサイトメトリーや蛍光顕微鏡を用いた滑膜細胞のサブポピュレーション解析も行う予定。
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Causes of Carryover |
海外学会出席を延期したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度のヨーロッパリウマチ学会出席に充てる予定。
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