2017 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study on the influence of nicotine to bone metabolism
Project/Area Number |
15K10493
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 和毅 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60235322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (70383768)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ニコチン / α7nAchR / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度までにノックアウトマウスの骨髄、詳しくはマクロファージ系の細胞であるMac1陽性細胞では、TNFαが高値を示すことをFACSで確認した。マクロファージから産生されたTNFαは、骨内の骨芽細胞のOPG産生を制御している可能性を考え、骨芽細胞様細胞であるMC3T3cellにTNFαを加え培養する実験系を進めた。また、マクロファージから産生されるTNFαが破骨細胞調節系にCriticalであることを示すための実験も進めた。 ノックアウトマウスのマクロファージ系の細胞であるMac1陽性細胞では、TNFαが高値を示すことがFACSでの検討で分かり、マクロファージが神経系からの刺激を受け、TNFαを介してOPGをコントロールしている可能性が明らかになった。骨芽細胞様細胞であるMC3T3cellにTNFαを加え培養するとIL1βなどより鋭敏にOPGの産生が促進することが分かった。その結果、マクロファージからのTNFαは、骨内の骨芽細胞OPG産生を制御していると考えられた。 マクロファージから産生されるTNFαがこの破骨細胞調節系にcriticalであることを示す2つの実験を行った。(1)TNFαの阻害剤であるエタネルセプトをノックアウトマウスに投与すると、予測通りOPGが有意に低下することを確認した。(2)α7ノックアウトマウスでは高いOPG値を示したが、さらにTNFαもノックアウトさせたダブルノックアウトマウスではOPGが低下していることを確認した。 以上より次の2つを結論として導いた。 1.副交感神経系、マクロファージ上のα7nAchRからのシグナル伝達によりTNFαを調節する‘Anti-inflammatory pathway’を介し、骨芽細胞からのOPG産生を負に制御することで破骨細胞活性を上げる経路がある 2.ニコチンは、この系を刺激することで破骨細胞活性を高める
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