2016 Fiscal Year Research-status Report
心臓手術患者における塩酸ランジオロールの薬物動態研究
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15K10502
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
國澤 卓之 旭川医科大学, 医学部, 教授 (40339031)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | TCIシステムによる実際の投与 / 検体処理後凍結保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
塩酸ランジオロールは周術期管理に有用な短時間作用性β遮断薬であり、ハイリスク患者における低用量投与の有効性の報告が漸増している。しかし、現在はハイリスク患者における薬物動態パラメータが不明であるため、血中濃度が増加しているのか、感受性が増加 しているのか明らかになっていない。そこで今回は、健常人の薬物動態パラメータ(PKP)を用いて標的濃度調節持続静注(TCI)システムを利用して、実際の心臓外科患者への投与を行い、ハイリスク患者のPKPの算出を行うことを目的としている。健常人のPKを用いたTCIシステムのプログラム作成、動作確認は完了し、安定して患者への投与が可能となった。プレリミナリー試験によって、実際の投与を行った患者では、計画通り投与を行うことが可能で有り、血圧変動・徐脈などの合併症を来すことなく、投与が可能となっている。また、実際の採血を行い、薬物の血中濃度の実測を行い、比較的想定内の血漿濃度であることが確認できている。また、実測値が低下しないように、酵素活性を阻害した採血法を行っており、検体処理後凍結保存を行えている。 現在までに得られた実測値を用いて、PKPを仮に算出してみると健常人のPKPと大きな解離は見られず、独立したPKP算出という最終結果のみならず、健常人との差違の少なさも結果から導き出される可能性が現在までの状況では、示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
象は、心臓外科患者であり、症例数が豊富で、研究対象と成る患者は定期的に手術室で手術を受けている状況である。ランジオロールTCI(target-controlled infusion)システムは、順調に稼動し、安全に患者に投与し、血中濃度を測定する検体保存を行い、後日まとめて、実測が可能としている。倫理委員会の承認も取得し、研究遂行に障害となるものは存在しない状況であり、組み入れも順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
残りのエントリーを終了し、採血・保存した血液サンプルの実測を行う。その値から、基本的なPKパラメータ算出を行った後、PKパラメータに影響を及ぼす因子の解析などを行い、より精度の高いPKパラメータ算出を進める。全ての実測値を利用して、最終解析を行うが、それと平行して、薬物動態解析を行いつつ、過去のデータと比較しながら新たなるPKパラメータを算出するのみならず、過去のデータと含めたPKパラメータの算出も試み、多岐にわたる比較を行い研究の精度を上げていくことで、よりよい研究を遂行できるよう計画している。
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Causes of Carryover |
今年度中に、投与システムの確立、プレリミナリー投与、実測の解析を行うための物品購入を行うための物品購入を行った。実際の患者の組込みが完了していないため、消耗品購入、旅費使用が次年度に一部繰り越したため、差額としての費用増加となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実際にランジオロール測定に必要な試験管や試薬などの消耗品の購入は、必要な経費と考えられる。それに加え、実際のPKパラメータの算出という作業があるため、知見獲得のための、学会・講習会参加、解析に必要なソフト購入、研究成果発表のための旅費や投稿に必要な英文校正などの費用に研究費を使用する計画を検討している。
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