2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K10505
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石井 秀明 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60529775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 達郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00313536)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的)フリーラジカル消去薬であるエダラボンが脊髄損傷の新しい治療法になりうるか明らかにするために、電気生理学的および行動実験を行った。(方法)まず、全身麻酔下でラットの苦痛を完全に除去したのち、脊髄を錘にて加重し、脊髄損傷モデルラットを作成した。次に、予備実験の結果を踏まえ、Sham群、コントロール群、臨床用量エダラボン群(3 mg/kg/h)、高用量エダラボン群 (10 mg/kg/h)の4群に分けて、大腿静脈から生理食塩水またはエダラボンを持続投与した。電気生理学的実験では電気的頭部刺激による下行性の運動誘発電位と、上肢および下肢刺激による上行性の感覚誘発電位を測定した。行動実験では、Basso-Beattie-Bresnahan (BBB) score による運動機能障害を評価した。(結果)電気生理学的実験では、Sham群の運動誘発電位の振幅は全く変化せず、コントロール群はほとんど回復しなかった。さらに、高用量群は臨床用量群と比較し回復の程度は減少した。臨床用量が回復に効果的である可能性が認められた。一方、感覚誘発電位は上肢および下肢ともにSham群の振幅・潜時は全く変化しなかった。コントロール群は脊髄損傷によって著しい振幅の消失にいたったが、振幅・潜時の回復の評価は困難であった。 次に、全身麻酔から回復したのち、Basso-Beattie-Bresnahan (BBB) score による運動機能障害を評価した。Sham群は21点であったのに対し、コントロール群は5点に留まった。臨床用量群、高用量群は15点と運動機能の回復が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究目標のひとつである至適投与法を確立することができた。さらに、運動機能障害を中長期的に評価するために麻酔方法を確立した。したがって、概ね順調に研究は進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究結果から、エダラボンの至適投与によって運動機能の回復率を向上させる可能性が高まった。しかしながら、上行性の伝導障害を検索するために行った感覚誘発電位は、本研究モデルでは侵襲が強すぎる可能性があった。次年度は、感覚誘発電位におけるエダラボンの効果も追加検討する必要があると思われる。 ラットおよび試料等の購入費、電気生理学的実験等および解析の諸経費は、研究を遂行するために必要である。さらに、研究成果を社会に発信するために国内外の学会および学術雑誌で発表していく予定である。その為に研究費を適切に使用する予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表および論文発表ができる程の十分なデータの収集に至らなかったため、旅費および論文校正、論文投稿費の支出が当初の予定よりも少なかったことが主たる要因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画にそってデータが整い次第、適切に学会発表および論文発表をおこなう予定である。そのため旅費および論文校正、論文投稿費を適切に使用する計画である。
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