2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on bupivacaine enantiomer binding site of KcsA channel and its open-close modification
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15K10511
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
瀬戸 倫義 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10335177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 稔 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00241258)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | bupivacaine / enantiomer / KcsA(E71A) / single channel analysis / conductance / mean open time |
Outline of Annual Research Achievements |
平面膜法によりKcsA(E71A) 再構成膜の1分子開閉K電流を記録した。単チャネル解析により、コンダクタンス、平均開確率を求めた。ブピバカインを加え、振幅解析、開閉遷移解析を行った。ブピバカインは濃度依存性にコンダクタンスを漸減し、更に平均開時間を減少させた。平均閉時間は一定値にとどまり濃度依存性しなかった。ブピバカイン結合によって開状態が短く、すなわち開状態の不安定化を起こすことでチャネル抑制が起こっていることをつきとめた。 KcsAにおける(R), (S)-ブピバカインの結合部位、結合様式をASEDockで計算した。開状態ブピバカインはイオン伝導路に結合することが判明した。結合は、伝導路の閉塞をもたらすことから、コンダクタンスの漸減と矛盾がない。また、伝導路の閉塞は平均開時間の減少と矛盾がない。結合はブピバカイン不斉炭素に結合するHがVal106に配位し、対掌体を識別していることが判明した。 開閉動態には3つのモード(High Po, Low Po, flicker)の存在知られ、解析には単一モードにおける解析が必要である。再構成膜の薄膜化速度を遅くし、解析に十分な開閉事象を得ることができる。薄膜化にともない開閉モードの遷移とは別に多チャンネル開閉と推定される電流が観測された。単チャネル計測になるように、チャネル濃度を薄くしても高頻度で再現した。KcsA-KcsAの会合によって多チャネル化するのではないかと考え、平面膜内のKcsA会合を調べるために、KcsA-KcsAのタンパク-タンパクドッキングを行った。KcsAは会合して2量体をつくると-84 kcal mol-1安定することが判った。再構成膜のKcsAは多量化し、単チャネル単モードの計測を困難にしているのではないかと示唆された。 ブピバカインの副作用-心毒性・循環虚脱は心筋カリウムチャネルの抑制が関与する。中毒域におけるチャネル開閉動態の抑制メカニズムを開閉動態から解明した。
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